34・合流と凛の大阪での話
今回、大阪出身の凛の知り合いの名前が出ますわ。
廃家の中を歩き回っていた凛が、ドローンを操作しながらパソコン画面を見ている直樹に話しかけた。
「なあ、直樹。理奈達はまだ来んの?」
「もう少しだ…今、大輔に迎えに行かせている」
「ウチも行こうか?」
「一人で大丈夫だろ。迷子になるぞ」
「子供扱いすんなや!」
そう言うと凛は、玄関の方に歩いて行き、玄関の扉を開けた。外の風景はまさにイタリアの街並みにそっくりだった…。
「此処…見た感じイタリアみたいやけど…まさか、里香が言っていた、『異世界転移』じゃないやろか…? あっ!」
街並みをみながら、凛が独り言を呟いていた時、見覚えのある制服を着た五人組が見えた。
「理奈、灯里、零華! 此処や! 此処!」
零華達が大輔に連れられて、此方に歩いてきているのが見えた。
「凛!」
理奈と灯里が、凛に駆け寄って抱き合う。
「おい凛! 何で灯里と零華と理奈の名は呼んで、俺の名前は呼ばないんだよ!」
「僕の名前も、呼ばれてないよ」
修兵と大輔が、ツッコミを入れる。其処に直樹がドローンの回収の為に出てきた。
「無事に着いたみたいだな、零華」
労いの言葉を掛ける直樹。
「修兵、誘導ありがとう」
零華が礼を言った。
※ ※
廃家の中に入った、零華・理奈・修兵・灯里・直樹・大輔・凛は、直樹がドローンを操作していた部屋で、円になる様に座った。
「僕がドローンである程度確認したんだが、此処はベネチアの様だが…」
直樹が最初に口を開いた。
「僕も同じに思う。でも僕達が出て来た建物は、ベネチアには無い建物なんだ」
零華が答える。
「テレビとか雑誌では紹介されない、マイナーな建物なんじゃないか?」
修兵が言った。
「じゃあそうだとしても、あの兵士達は? どう見ても、イタリアの軍の人達じゃないけど…」
理奈が反論する。
「剣とか持ってたし、どっちかというと、中世の騎士みたいじゃなかった?」
灯里が答える。
「じゃあタイムスリップとか? あの変な現象で時間と空間を超えたとか?」
大輔が考えを出した。
すると黙っていた凛が、語り出した。
「皆、聞いた事あらへん? ある時突然大勢の人間が消えたとか、飛行機が行方不明になったとか?」
「…まあ昔からそういう伝説は聞くけど? それが?」
零華が答える。
「ウチらの国にも、似た様な話があるねん」
凛が更に続ける。
「里香がな。なろう系のラノベが好きやんね。その中で『異世界転移』のがお気に入りらしいんやけど、もしかしたらウチらも同じ現象になってるんとちゃう?」
「それって小説の中だろ? ってか最初の話と何が関係しているんだよ?」
修兵が尋ねると、凛は更に続ける。
「実はウチが住んでいた大阪で、四年前にあったんや…知らん? とある小学校の六年生の一クラスが、授業中に謎の失踪をしたって話?」
「! ああニュースで見たよ! 結構何日もワイドショーとかでやってたけど」
大輔が思い出して言う。
「あれな…ウチの通ってた小学校やねん」
「それホント凛?」
理奈が驚いた。
「ホンマや…だから今のウチらも、日本ではその六年生と同じ扱いになっとるんやないかと思ってな」
「…凛は僕達が異世界転移した上に、その六年生達も同じ様になったと思うの?」
「仮説の一つをして考えてるんや…ヒナ姉もこんな感じやったんかな…」
「ヒナ姉?」
凛がポツリといった言葉に、零華が反応した。
「ああ、ウチが大阪に住んでた時に、近所に住んでいた、年上の女の子や! 名前は草薙 日向…ウチはヒナ姉って呼んでたんやけど…ヒナ姉は、その失踪した六年生のクラスの一人なんや…」
「そうなんだ…心配だね…」
零華が気の毒そうに呟いた。
「まあ、ヒナ姉は簡単に死ななそうな人やから、きっと生きてるやろ! いっつも女の子の事を追いかけ回してたし、今頃お気に入りの女の子の体でも狙ってるんやろなぁ…」
「…いやちょっと待って凛! その人って女の子でしょ?」
灯里がある事に気付いた。
「そうや。だってヒナ『姉』やもん」
「いやだって…女の子の事を…」
「ああ…ヒナ姉な…女の子が好きやねん」
当たり前の様に答える凛に、一同は言葉を失った。
「ヒナ姉な…男の子を恋愛対象として見れないらしいんや…ああでも、零華なら見た目女の子やから、ОKかも?」
「僕は男だ!」
零華が反論した。
「でもヒナ姉は美人なんや! 美少女の上に活発的な性格で、狙っている男子も結構居たんやで…胸はペッタンコやけど…零華は年上が好きやろ?」
「別に僕に限定しなくても良いでしょ? それ以前にその人って、女の子が好きなんだから…」
「いやでもな…零華見た目は完全に女の子やん」
「何度も言わすな! 僕は男!」
ムキになって言い返す零華。話は完全に脱線してしまった。
何か聞いた事ある名前やな…。
感想・ブックマーク登録・レビュー・ポイント評価・質問等ありましたら、何でもどうぞ。




