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蒼の瞳の騎士 紅の瞳の姫君  作者: 黒猫キッド
第2章・異世界召喚編
32/133

31・空に浮かぶ物 1

 再び零華視点ですわ。

「……」

 木箱が置かれている路地から、小箱越しに水路沿いの道を見ている零華、その視線の先には数人の兵士が居る。

 零華は気付かれない様に、その場から立ち去った。

 暫く路地を歩いていると、幾つかの木箱が置かれた行き止まりの路地に差し掛かった。

「んんっ!」

 零華は小さく咳払いをする。

「…一九六四年のオリンピックは?」

 木箱の奥から声がする。

「東京オリンピック」

 零華が答えると、木箱の奥から修兵が顔を出した。どうやら合言葉だった様だ。修兵が木箱を退けると、その奥には理奈と灯里も居た。

「どうだった?」

「駄目…あっちの道にも、兵士が居るよ」

 先程零華が来た道を示しながら説明する。

「どうしよう。このままじゃ出口にも辿り着けないし、皆にも合流出来ないよ…もしかしたら、捕まっちゃうかもしれない…」

 灯里が弱気な事を言う。

「大丈夫だって、幸いこの街は迷路みたいだから、そう簡単には見つからないよ」

 理奈が元気づける様に言うが、零華には理奈にも不安の表情がある事が感じられた。

「修兵…皆には連絡出来た?」

 零華が尋ねた。零華が偵察に出ている間、修兵に何人かに連絡を頼んでいたのであった。

「いいや…孝明と一と太一に連絡したけど…アイツ等出ないんだよ」

 修兵がスマホを見ながら言った。

「…逃げていて、気づかないのかも知れない」

 零華はそう言ったが、実際には最悪の事を考えていた…既に捕まったか…或いは殺されたか…という…。

「とりあえず、今皆が持っている荷物を確認しておこう。もしかしたら、何か役に立つ物があるかも」

 零華の提案に賛同し、四人はそれぞれ持ってきたカバンを開ける。

「まずは僕から言うね」

 最初は提案者の零華であった。

「僕が持っているのは、教科書やノート、それに朝慌てて持ってきた菓子パンの残りと、間違って持ってきた音楽プレーヤー、それにスマホと…あと…それだけ」

 誤ってぬいぐるみの事まで言おうとしたが、慌てて止めた。

「おい。何か最後の終わり、不自然じゃなかったか?」

 修兵が突っ込んで来たが、零華は無視をし、次に理奈を指名する。

「私は教科書とノートとお弁当箱くらいかな…まあ普通だけど」

 次に灯里。

「私も理奈と一緒だよ。まあ大体はこんな感じだけど…っで、修兵は?」

 灯里が尋ねる。

「俺は教科書は置き勉しているから、ゲームと音楽プレーヤーくらいか」

「何の為にカバンを持ってきているんだよ」

 零華がツッコミを入れる。

「あっ! これもあった!」

 そう言って取り出したのは…

「グラビぶへぇ!?」

 グラビア雑誌を取り出した途端、灯里から軽いパンチを受ける。

「何て物を持ってるの!?」

「学校で拾ったんだよ!」

「まだ持ってたのか…」

 零華が呆れる。

「…結局現状況じゃ、あまり役に立ちそうなのは、何も無いね」

 零華の言葉に、三人は無言で頷く。

「とりあえず、他の皆と合流出来ればな…」

 そう言って建物の間から見える、空を見上げた時であった…円盤の様な物が見えた。

「UFО!?」

 零華が驚いて声を上げると、他の三人も空を見上げた。

「違うよあれは…ドローン?」

 理奈が言った。確かによく見てみると、それはドローンであった。

「…直樹のか!?」

 零華は異変前に、直樹がドローンを持っていたのを思い出した。

「じゃあアレは直樹のドローンか!?」

 修兵が叫ぶように言った。

「…ドローンにはカメラがある…そうだ!」

 零華は何かを思いつき、スマホを操作し始めた。


 ドローンを登場させようと思ったのは、ある映画のノベライズで、高校生がドローンを使っていたのを見て、思いついたんですわ。

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