30・ユリアン
今回は区切り上、短いですわ。
ギィン!!!
「うわぁ!」
地面で敷き詰められた広い訓練場にて、地面倒れた兵士が悲鳴を上げる。その近くには剣が転がっている。他にも大勢の兵士達が見ている。
「脇が甘いぞ! もっと集中しろ!」
剣を肩に担ぎながら兵士に言うその人物は、他の兵士より実践的な立派な身なりした、二十代初期の男であった。
「全員、二十分間の訓練をしろ! その後は三十分休憩だ!」
「「「はい!!!」」」
男がそう命令すると、兵士達は訓練を開始した。
「ユリアン隊長!」
男‐ユリアン‐が訓練を見守っていると、一人の兵士が駆け寄ってきた。
「何だ?」
「先程、太陽の聖堂に於いて、三十人程の侵入者が現れたという報告がありました!」
「三十人!? 何でそんなに侵入者が現れるんだ!?」
ユリアンが驚いた声を上げる。
「分かりません…突然現れたとの報告が…それともう一つ…その侵入者達は、十三・四歳程の子供だったという報告が…」
「はぁ!? 馬鹿野郎! 太陽の聖堂は、我がエグ・マリン王国の重要施設だぞ! それをたかだか十三か四のガキ共に、侵入されたっていうのか!? 何やっていたんだ、警備の兵士達は!?」
ユリアンが大声で怒鳴ると、兵士は竦みながら返事をする。
「それがその…本当に突然現れたとの事で…それも見た事も無い黒目・黒髪に、見た事も無い服装をしていたとか…」
兵士のその言葉に、ユリアンは訝し気な表情をする。
「突然現れた上に…見た事も無い黒目・黒髪に、見た事も無い服装だと…ソイツ等は、何処に居たんだ?」
「報告では…星の広間に居たという情報が…」
「星の広間といえば…二十年前に…とりあえず、ソイツ等の確保に兵士を増員しよう。何か特徴は無かったか? 黒目・黒髪や服装以外にも…」
ユリアンが尋ねると、兵士は思い出した様に言った。
「そういえば…彼らは黒目・黒髪でしたが、一人だけプラチナブロンドか亜麻色の髪の者が居たとか…」
「プラチナブロンドか亜麻色の髪の奴?」
「はい…何でも右目に布を巻いた『女の子』という、報告を受けていますが…」
「そいつは目立つな…この捜索には俺も加わる。お前は目撃した兵士から、ソイツ等の服装等のスケッチを用意させろ!」
「はっ!」
命令された兵士は、回れ右をして駆け足で去っていった。
「ガキ共が…このエグ・マリン王国にて、治安を担当している俺から逃げられると思うなよ」
そう呟くとユリアンは、訓練している兵士達に号令を出した。
右目に布を巻いた『女の子』…誰やろ?
イタリアのベネチアそっくりの場所は、エグ・マリン王国という国の様ですわ。因みにエグ・マリンという名前は、フランス語のアクアマリンの読み方ですわ。
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