29・水の都の街並み
作者はベネチアが好きなので…某アニメ映画の影響で…。
「えっ? ベネチアって…イタリアの街…だよね…?」
零華の言葉に、理奈が反応した。
「イタリア? 何でイタリアに居るんだよ、俺ら」
修兵も混乱して尋ねる。
「…でも待ってよ。さっきの兵士の人達の声、どう聴いても日本語だったよ」
灯里が反論する。
「…確かにそうだったけど、此処はテレビとかで見る、イタリアのベネチアの街並みにそっくりだ」
景色を見ながら零華は言う。ふと振り返って、自分達が出て来た建物を見てみると、其処は大きな博物館の様な建物だった。
「サン・マルコ大聖堂…じゃないよね…デザインが違うし…」
零華は以前テレビで見たサン・マルコ大聖堂の形とは、目の前の建物と違う事が分かった。
「兎に角此処を移動しようぜ。また兵士達が来るかも知れないし」
修兵の提案に、四人はその場を移動する事にした。
※ ※
広場から市街地に移動した零華達。ベネチアと同じ様に、街中には水路が有り、テレビで見たベネチアと同じ風景をしていた。
「ねえ…僕達の服装…浮いてるよね…」
「…そうだね」
零華の言葉に理奈が答える。ベネチア(?)の街に居る住人は、皆中世ヨーロッパの様服装であったが、零華達は桜花学園中学校の制服のままであった。
「おまけに容姿も違うから、余計に目立つし…」
灯里の言うとおり、街の住人は西洋人風だが、四人は零華以外は日本人(厳密に言うと、東洋人)であり、自分達とは違う風貌の為、街の人間が気になって見ている。
「零華はまだ良いぞ。髪の色のおかげで、日本人離れしているからな」
修兵が言う。
「…変に疑われる前に、街の出口を目指そう」
そう言って零華は、建物の角を曲がったが…直ぐに戻った。
「どうした?」
修兵が尋ねた。
「不味い…兵士が居る」
「マジか!?」
修兵が言うと、零華と共に建物の角から覗いた。其処には確かに、三人組の兵士の姿が見えた。
「くそっ…俺らを追いかけてきたのかよ」
憎々し気に呟く修兵。その時…
「えっ、ちょっとどんな風になってるの?」
と、灯里が修兵を押す様に覗き込もうとしてきた。
「あっバカ! 押すなっての!」
修兵は止めようとするが、灯里に押されてバランスを崩した。
「あだっ!」
修兵はそのまま、角の向こう側に倒れ込んでしまった。その結果…
「おい! アレ!」
案の定、兵士に見つかってしまった。
「ヤバい! 修兵逃げよう!」
零華は慌てて修兵を立たせると、三人を連れ立って走り出した。
「おい待てぇ!!!」
兵士は叫びながら追いかけてくるが、当然ながら待てと言われて、待つ者などいない…零華達は走り続け、通行人にぶつかりそうになりながらも、水路のある道を進み、途中路地に入って、迷路の様な街並みを出鱈目に走り続け、何時の間にか兵士を振り切る事に成功した。
零華達の桜花学園中学校の制服は、青っぽい紺色のブレザーに、ネクタイには桜のマークがあるという、イメージ設定になっていますわ。
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