23・最後の日常 4
昼休み‐零華は昼食を食べようとする。
「朝はバタバタしたから、ごちゃ混ぜに色々持ってきてしまった…教科書とか出す時は、何とかなったけど、流石にそろそろ整理しないと…」
そう言いながらカバンを開けると、ゴチャゴチャになった中の様子が視認出来る。
「あ~あ…パンは無事かな…? 何入れたんだっけ?」
零華はカバンの中を確認する。
「…教科書やノート類に菓子パン他に、昨日見た謎のノートに音楽プレーヤー…更に…あっ!?」
カバンの中には、昨日理奈から貰ったぬいぐるみまで入っていた。
「しまった…あの後動画撮影したから、抜くのを忘れてた」
ぬいぐるみを奥に入れる零華。
「おい零華。どうした?」
「!?」
背後から急に修兵が話しかけ、零華は小さく飛び上がる。
「な、何? 修兵」
慌てて菓子パンを取り出し、カバンを閉める零華。
「何って、飯食わないのかって、聞こうとしただけだぞ? ってかカバンの中に、何を入れているんだ?」
あまりにも慌てて閉めた為に、修兵は不審に思った様だ。
「…教科書とかノートとか音楽プレーヤーが、ごちゃ混ぜに入っているんだよ。あんまり酷いから、見せなくなかったんだ」
まさかぬいぐるみを持っているとは言えず、ぬいぐるみ以外の物を説明した。
『修兵に見られたら、数秒後にはクラス全域に広まっているよ…』
そうなったどうなるのか、容易に想像出来た為に、零華は隠した。
「ホントか? 実はエロ本でも入れてるんじゃないか?」
「なっ!? 何でそんなの僕が持っているんだ!?」
「いやいや。案外持ってそうじゃないか…実はさっき俺も、三階への階段の所で、グラビア雑誌を拾ったんだ。多分三年生のだと思うぞ」
桜花学園の三階は、三年生の教室がある。因みに零華達二年生は二階である。
「そんなの拾わないでよ…僕はまたどっかで食べてくるからね」
そう言って零華は、菓子パンと念の為に見られない様に、カバンを持って教室の出入り口に向かう。
「おっと!?」
その時、大きなリュックを持った直樹とぶつかりそうになった。
「ごめん零華」
「いや良いよ直樹。ってか何そのリュック?」
「ああ、実は今日科学部で使うドローンが入っているんだ。他にも様々な道具が入っているから、大荷物になってしまった。持ち歩いているのは、他のクラスの奴とかに盗まれないようにな」
直樹は科学部に所属している。
「そっか…まあ気を付けなよ」
そう言って直樹と別れて、教室を出る零華。何時ものバルコニーに向かう途中、スマホを見てみると、メールが来ていた。
参加者 男子1番・東屋 尊 4番・相良 大輔 5番・佐久間 興人 9番・野中 来季 15番・山村 直樹 女子3番・小原 南美 梶本 菜々美 残り14名
さっき話した直樹を含め、新たに7名もの参加者が増えていた。
「…何なんだろ? あの『異世界転移メール』…」
クラスの誰かが送っていると思われるメールに、疑問と何故か不安を感じる零華であった。
さらに増える参加者達…。
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