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蒼の瞳の騎士 紅の瞳の姫君  作者: 黒猫キッド
第1章・日本での日常編
25/133

24・最後の日常 5

 今回にて『最後の日常』が終わりですわ。

 あれからも参加者は増え続け、今日の最後の授業の五時間目の終わり頃には、残り五人にまでなっていた。

 零華は今までのメールから、残りのクラスメイトを逆算する。

「残っているのは…明司、尚文、シエラ、理奈…そして僕か…」

 何故こんなメールに反応するのか、零華には分からなかった。

 そうしている内に、六時間目が終わり、そしてHRも終わり帰る事になった。

「零華、今日もバイト?」

 カバンを持った理奈が話しかけてきた。

「うん。今日は六時間目迄あったから、あんまり働かないけどね」

 零華がそう返す。

「お店に行っても良い?」

「別に良いよ。僕は只のバイトだから、拒否する権利は無いし…」

「まあそうだよね…ねえ、零華。さっき修兵との会話が聞こえて、一昨日の修兵の言葉を思い出したんだけど…」

「一昨日の会話?」

 一昨日修兵が言った言葉の、何が気になるのか、零華には分からなかった。

「ほら…巨乳がどうとか…零華はその…大きい方が良い?」

「……」

 何故そんな事を聞くのか、零華には分からなかったが、とりあえず答える事にする。

「…別に僕は大きさなんて興味ないよ。年上で落ち着いた人なら、大きくても小さくても気にしないけど」

「そっか! そうだよね零華なら…良かった…私あんまり大きくないし…」

「えっ? 最期何て言ったの?」

 零華には理奈の最後の方が、よく聞き取れなかった。

「な、何でもないよ! それより行こう!」

「う、うん…?」

 理奈に手を引かれて、零華は教室を出ようとする。まだ他のクラスメイトは、教室から出ていなかった。その時…

「ちょっと待った!」

 零華と理奈の進路を塞ぐ様に、一が立ち塞がった。

「何だよ一。何か僕らに用があるの?」

 零華が尋ねる。

「お前らまだ、あのメールを返してないだろ?」

 それに答えたのは一ではなく、零華達の背後に居た修兵であった。

「あんなイタメールに、相手する必要はないでしょ?」

 理奈が前に出て、修兵にそう返す。

「いやでもさ。クラス皆送っているから、二人とも返した方が良いじゃないか?」

 興人が、そう言った。

「別に僕達二人以外にも、あと三人返していないじゃないか?」

 零華は、明司、尚文、シエラも返していない事を知っている為に、そう言ったのだが…。

「あれ? 二人は知らないの?」

 大輔が言った。

「何が?」

「零華君達以外の三人も、メールを返したよ」

「…えっ?」

 大輔に言われて、零華と理奈はスマホを確認する。すると何時の間にかメールが来ていた。


 参加者 男子10番・濱野 尚文 14番・安永 明司 女子7番・四方田 シエラ 残り2名


 大輔の言うとおり、既に残っている未送信者は、零華と理奈だけになった。

「残りは僕らだけ…」

 ポツリと呟く零華。

「ホラ、残りはお前達だけだぞ! 返信しろよ」

 修兵の言葉を皮切りに、クラス中から送信を促すコールが響き渡った。

 零華は面倒くささを感じながら、理奈の方を見る。理奈は苦笑しながら頷いた。

「…分かったよ…返信すれば良いんでしょ?」

 零華はスマホを操作し、例の異世界転移のメールを表示させた。理奈の方も同じく表示させる。

「…YESっと」

『YES』のボタンをタップし、メールを送信する二人。すると直ぐに新たなメールが来た。


 参加者 男子11番・広橋 零華 女子11番・中里 理奈 残り0名


「ほら返しよ。誰がやっているか知らないけど、此れで満足でしょ? じゃあ僕はバイトに…」

 そう言いかけた瞬間、三十名全員のスマホが鳴った。そして全員がスマホのメールを確認する。


 ありがとうございます。それでは桜花学園中学校・2‐Aの皆さん、異世界に転移させます。


 零華はスマホのメールに、そんな文章が記載されているのを見た。理奈の方を確認すると、やはり同じメールが来ていた。そしてどうやら、クラス全員に同じメールが送られていた。

「何…これ…?」

 あまりに意味が分からない事に、戸惑いを見せた2‐Aの生徒達、その時…。

「!!!」

 突然教室の床が光り始めた。

「おい、何だよこれ!?」

「ちょ、ヤバくない!?」

「逃げた方が良いって!」

 クラス中パニックになる。

「皆! 早く教室の外に出て…!!!」

 零華は皆を教室の外に脱出させようとしたが、それより早く床の光が強くなり…零華の意識は途絶えた…。


※           ※


「うん? 何だか静かになったわね」

 隣のクラスの担任の教師が、突然2‐Aの教室が静かになった為に、確認に来ると…2‐Aの教室には誰も居なかった…最初は帰ったのかと思ったのだが、2‐Aの下駄箱の靴はそのままであった。

 一時間後には、2‐Aの三十名全員が、謎の失踪を遂げた事が学校中に知れ渡り、警察が介入する事になったのだが、学校側は知らなかった。

 2‐Aの三十名全員が…飛ばされた事に…。


 此れにて第一章終了ですわ。次回は登場人物紹介をやって、いよいよ第二章から異世界の話になりますわ…ただ一つ言うと…ヒロインが出るのは、まだまだ先ですわ…。

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