3.B隊入隊試験
今日は昨日とかわって、太陽が差し込み、高温すぎる。ランドビーは子供の頃にもらった剣を携え、ポールトと家の前で集合した。
「え?ランドビー坊主??ははははは」
ポールトに高笑いされる。
「は?坊主じゃねー。短髪坊主だ。」
ランドビー的には、坊主はなんか恥ずかしいから、短髪にしたかったが、人から見れば坊主と言っていいほど、バッサリいった。
そして、食料を現地調達しながら、ここから南東のストロベリー市に向かった。
ストロベリー市にある東B隊支部についた。
周りには平原が広がっており、ポツンと一軒家3個分ぐらいの大きさの建物が立っている。
その建物の前にもう何人か集まっている。
「おー結構小さいな。B隊もこんなもんか」
ランドビーは呆れたような顔で小言を言う。
「いや、支部だからこんなんもんだろ。本部はとんでもないぞ。」
反対にポールトはB隊のことを敬っている。なぜなら、3年前の大戦で家族が助けられたからだ。それゆえに、B隊が厳しいことも知っている。命をかける仕事だと。
「全員揃ったな。入れ。」
なんか、色黒のおっさんが支部の建物の扉を開けて、何の特徴もない声で言った。
「今からバター隊、通称B隊の説明を行う。私はB4隊長のフルトムだ。」
50代ぐらいの色黒、白髪で髭を生やしており、胸元に白文字でBと書いてある黒い羽織りを着ている。
支部の建物の中は何もない。
「なんか弱そうだなあのおっさん」
ランドビーは直感でこいつは弱いと思った。
「強そうだけど………」
ポールトはランドビーに反対した。
周りには50人くらい入隊希望者がいて、整列もせず、バラバラに立っている。
話し声がちらほら聞こえてくる。ザワザワした空気の中………
「入隊希望者たち、死ぬ覚悟はできているか?」
周りが静まり返った。なんの特徴もない声で大きくもなかったが、突如死ぬ覚悟と言われ、皆訳の分からない様子である。
「死ぬ覚悟ができているやつは手を挙げろ」
死ぬ覚悟??なんだそれ。毎日、食糧を集めることが精一杯で死ぬことなんて考えたことがなかった。
周りで手を挙げているやつは誰もいない。
「死ぬ覚悟ができていないのであれば、この隊に入ったとしても何の貢献もできない。ならば、B隊に入って国に貢献するよりも、身近にいる大切な人のために、食糧を集めることの方が有意義である。」
「話は以上だ。」
フルトム隊長が扉に向かって歩き出す。
「ちょっと待て。おっさん。」
隊長は止まろうとしない。
「俺はルイを探すためにこの隊に入る。ルイを見つけ出して、謝るまでは絶対に死なない。だから死ぬ覚悟なんて必要ない。とにかくこの隊に入れろ」
ランドビーは自信満々に隊長に言い放った。
「俺もルイを探して、謝るためにこの隊に入る。そして、俺の大切な人がいなくならないように俺は盾となる。ランドビーを守らなければならないから、この隊に入る。死ぬ覚悟はできてる。」
ポールトも自信満々に隊長に言い放った。
「俺は守られないぞ」
ランドピーがボソッと言った。
「君たち、国に何の貢献ができる?」
「………貢献はよく分からないが、ルイを探し出したら、ルイは賢いから国に貢献できる。いや、この世界に貢献できるぜ。」
ランドビーは貢献に関して、自信はなかったが、ルイは賢い。それに自信があった。
「俺はルイを見つけ出し、ランドビー、ルイの盾となる。」
ポールトはランドビー、ルイの盾となることが国に貢献することだと自信を持っている。
一瞬だった。空気を切り裂く速さで2人に近づいた隊長は2人を剣で切ろうとした。しかし、ランドビーは反応し、隊長の胸元に剣を差し込み、ポールトは隊長の剣に剣を合わせ、ランドビーを護衛する。そして、隊長はランドビーの剣をかわした。
「いいだろう。君たち名はなんという」
「ランド・ブレークファースト」
「プルノ・ポールト」
「ついてこい」
B隊は何歳でも入隊可能だそうだ。隊は強い順にB1、B2、B3、B4に分かれおり、完全実力制だ。隊員はみな憧れのB1を目指して日々訓練に励んでいるという。
「テストの説明はないんですか?」
ポールトが不思議そうにフルトム隊長に聞く。
「テスト?もう終わったが?」
…………今から何かと戦うんじゃねぇのか?
「どういうことだよおっさん」
ランドビーは頭をかきながら、理解できないとでも言いたげな顔で尋ねる。
「目標を聞いたら終わりだ。希望者が少なくて、テストなんかしてたら成り立たん」
フルトム隊長は笑いながら、そう言った。
ランドビーは何だそれと思いながら、隊長の後ろを歩く。
「どこに向かってるんですか?」
ポールトはランドビーも聞きたかったことをどんどん進む隊長に聞く。
「国民のために、食糧を集める場所に向かっている。」
B隊に入っても食糧集めかよ
「あのー食料集めなら、家でもできますけど、というか、家族の分の食料を集めないといけないのですが、どうしたらいいですか?」
ポールトは家族の食料を全て担っているわけではないが、弟が2人いて、少しでも多く食べさせてあげたいと思っているから尋ねた。一方でランドビーは家族の食料を全て担っているため、責任重大である。
「心配するな。B隊で活動していれば、国に貢献しているということで家族の食事は国から与えられる。B1に上がれば、毎日家族にパンと肉、野菜にフルーツと与えられる。さらに、トップ10には、パンや肉に加え、月に1度幻のパンケーキが与えられる。だから皆、B1、トップ10を目指して、日々訓練しているのだ。」
「ははは!楽勝だな!お母さんと妹に幻のパンケーキ食わしてやろうじゃねぇかははは」
ランドビーは食事に関して誰よりも本気である。
「そんな都合の良いものではない。なぜなら命を賭けるからだ。命がかかっているから、贅沢な食事を手に入れられる、ただそれだけだ。」
「そんなことは分かってる。でも、俺は死なねぇははは」
そんなことを話しながら、20分ほど南に歩いて、着いた場所は落ちたら、即死する崖だ。




