4.なんだこの乗り物!?
「ここで狩りを行う。準備しろ。」
まじ?
足を滑らせたら、本当に死ぬ。
今までこんな急斜面の崖で狩りをしたことがない。
「なんでこんなとこで狩りをするんだよ、わざわざ危険な場所でする必要ないだろ」
ランドビーはありえないと抗議する。
「ここの岩ヤギは貴重だ。しかし、危険でなかなか人が立ち入れない。だから生息数は多い。B隊で成し遂げたいことがあるなら、これくらい余裕でこなせ。」
フルトム隊長は険しい顔でランドピーたちに伝えた。
連れ去られたルイを連れ戻し、謝る。それだけはランドビーのなかで揺るがなかった。
「おう、やってやるよ。でも、ルイを早く見つけないといけない。こんなことしてる場合じゃない。」
「岩ヤギ狩りがその目標の近道だ。50匹狩ってこい。50匹狩って、ここから5キロ先の東B隊本部に来い。話はそれからだ。無理なら、誰かに助けてもらうんだな」
フルトム隊長は無理難題を言って、南の方に歩いて行った。
「なんだあいつ。誰かに助けてもらうもんか。無茶苦茶じゃねーか。」
「ランドビーあの隊長を信じるしかない。俺ら はルイを探すために何をしていいか分からないだろ」
「そうだけど、なんだあいつ。さっさと終わらせるぞ。」
岩ヤギはここから見て、10匹程度いる。崖の斜面で休んでいるものや、キツネやヒョウなどの天敵から逃げているヤギもいる。
探せば、50匹ぐらいはいるだろうか。
分からないけどやるしかない。
1日10匹を目標に、雷雨、大雪で中断した5日を含めて、10日で達成することができた。
しかし、問題が一つある。
……どうやって5キロ先の南B隊本部まで運ぶんだよ。
「ルイがいたら、名案出してくれただろうな。」
「ポールトしょうもないこと言ってんじゃねぇよ!早くなんとかするぞ」
「木で大きな入れものを作って、その中にヤギを入れて、その入れものを押すっていうのはどうだ」
ポールトはその案を却下しようかと思ったが、それ以外の案もないので、受けて入れた。
この辺りは岩だらけで木が見当たらないので、少し探すことにした。
「なかなか、木が見つからないぞ。もう1時間は経ったぞ。腹減ったし、一回戻って、ヤギ食っちまうか?」
狩ったヤギは崖の隙間に隠しており、戻らないとヤギを食べられない。
ランドビーは腹が減って、イライラしており、今にもブチギレそうだ。
「ダメだ。一匹狩るのに1時間はかかる。そんなことしてたら、いくら時間あっても足りないぞ。」
ポールトは腹が減って、イライラしているがまだ正気を保っている。
「うぉぉぉ----ーー」
木が見つからず、たまらず発狂するランドビー
「おい、ランドビー木があったぞ」
「うぉぉぉーーーーーーーーーーーー」
木が見つかって、たまらず発狂するランドビー
「なんだ村もあるじゃないか、村に水と食糧分けてもらおうぜ。ポールト」
「どうやって?ここは俺たちの村じゃねぇぞ。綺麗なビコお姉さんみたいに分けてくれる人なんていねぇぞ。」
「でも腹減ったし、喉乾いたし、脅して食料奪い取るしかねぇ」
だいぶイライラしているランドビー
こうなったら、言うことは聞かないランドビー
ポールトは仕方なくついていくことに
村には、20軒くらい家がある
そこで一番大きい家の前に立ち、ランドビーはドンドンドンと扉を叩く
「ほぉ、どなたかの?」
出てきたのは白髭、頭ハゲのおじいちゃん
「おじいちゃん、水と食糧分けてくれ」
「ほっほっほ、ならお前さんたちの金玉と交換じゃの」
「!!?何!!そんなことできるわけねぇ」
「なら無理じゃの」
訳のわからないおじいちゃんに首を傾げて、呆れるランドビー
「もうやめよう、ランドビー、無理だって」
でも、飢え死にそうなランドビーは食い下がらない。
「なら、代わりに食料とってきてやるから、水と食い物今くれ」
「このワシに交渉するとは、良い度胸じゃ。そうじゃな、お前さんたちにとうもろこしと水を与える代わりに、10日間ここで食糧集めしてもらおうかの。」
「10日間!?そんなのやってられるか」
ランドビーのイライラがもう爆発しそうだ。やばいと思ったポールトはいい事を思いついた。
「岩ヤギ1匹渡すので、とうもろこしと水でどうですか?おじいさん」
ポールトの提案におじいさんは微かに目を大きくした。
「ほぉ、お前さんたちは岩ヤギを狩れると言うのか?」
「ああ、もちろんだぜ」
ランドビーは意気揚々である。
「じゃがの、そんなの信用できないから、馬車で一緒に崖に向かおうかのう。そこで水はあげるから、岩ヤギ2匹とったら、とうもろこしをやろう」
「おう、いいぜ」
ランドビーは意気揚々だ。しかし、ポールトはとうもろこしを食べる代わりに2時間かけて岩ヤギを2匹狩るのはありえないと思った。
「というかばしゃ?ってなんですか?」
「ほぉ?ちょっと着いてきなさい」
おじいさんはそう言って、家の隣にある小屋を開け、これじゃと言わんばかりに指を指した。
馬2匹とランドビーのお母さんが乗ってる車椅子の大きいバージョン?みたいなのが付いている。
「わしゃ、この村で一番偉くてのう、馬車はわししか持ってないのじゃ」
自慢げに話すおじいさんは誇らしげに笑っている。
「すげーーーーーーーーーーーーー馬だーーーーー」
小さい頃から馬への憧れがあったランドビーは興奮した様子で大声で叫んだ。
「ほな、出発しようかの」
馬の後ろの車椅子の大きいバージョンにおじいさんと俺らが乗って、馬が動き出した。
こんな物があったと知らなかった2人は興奮しっぱなしだった。
「うぉーーーーーーーーーーーーー」
「よし、ついたのそれでは、今から水をあげるから岩ヤギを2匹じゃの。よろしく」
岩ヤギの崖に20分くらいで着き、馬車を降りた。
「待って、おじいさん。水はいいから、その馬車を貸して欲しい。」
ポールトは突如、提案を始めた。
「待て待て、ポールト!俺喉乾いて死ぬぞ」
「それより、馬車借りて、東の本部まで行こう、岩ヤギ50匹くらいなら乗るだろ」
「ほう、馬車を貸して欲しいなら、岩ヤギ100匹じゃの、水ととうもろこしも今すぐあげるわい」
「よっしゃ!!馬車と水ととうもろこしで岩ヤギ100匹はラッキー!じいさんサンキュー!!」
ランドビーは水と食事が手に入ることに頭がいっぱいで快く、おじいさんの提案を受け入れる。
「じゃ、よろしく」
おじいさんは内心、飛び跳ねて喜んでいた。馬車を貸すくらい卵5つくらいで十分だからだ。しかし、この2人をみて、カモだと思った。
「待って!!」
おじいさんが契約成立する前にポールトは待ったをかける。
「岩ヤギ50匹でどうですか??今あるのは50匹なんです。それでどうにかお願いします。」
「じゃ、50匹で契約成立じゃの」
おじいさんは心の中でガッツポーズをした。
これで当分飯に困らんのう!!
一方の2人は声を合わせて
「やったーーーーーーーーーー!!」
2人は心の底から喜んだ
相当世間知らずでバカである。
「おじいさん、これが岩ヤギ50匹です!」
2人は興奮気味におじいさんの前に岩ヤギ50匹を持ってきた。
おじいさんは目を大きく丸めた。
「ほぉ、お前さんたちこれからも仲良くせんかの?馬車貸して欲しい時はいつでもいってくれ。長い付き合いをせんかのう。」
「えーー!?いいのかじいさん助かるぜーー!」
食い気味にランドビーは受け入れた。
「なら、馬車を貸してほしくなったら、わしの家に来なさい」
「はーーーい!!」
おじいさんはご機嫌に家に戻って行った。
ここから、2人はペースを上げて、岩ヤギを狩っていった。慣れてきたというのもあって、1匹30分ペースで狩れるようになっていった。
最終的に6日で50匹を達成した。
その後、おじいちゃんに馬車を借りて、東B隊本部まで向かった。
結果、フルトム隊長と別れてから17日で南B隊本部に到着した。




