24.国王様との計画
——後方の敵2万のうち、半分は騎馬隊っぴ。
つまり、後方の敵が主力。
後方の敵に関しては国王様との計画で問題ない……
ヘルビンは敵に挟み撃ちになっている中、冷静に考え事をしていた。
「ヘルビン様、指示をお願いします!!」
ヘルッピー団の兵が焦った様子で言った。
ヘルッピー団の兵士たちはヘルビンのことを信用しているが、逃げ場がなく、前後左右から敵が迫っている状況は危険だと感じている。
カルロス副隊長も本当にまずいと感じた。
「チンタマついてこい!!」
ポールトは緊急事態だと判断し、左側の足場の悪い森に入っていって、弓を持った敵の腹を剣で刺す。
ランドビーもポールトと息を合わせて、弓を持った敵をなぎ倒していく。
チンタマはとにかくポールトとランドビーについていく。
「ヘルビン様!!」
あちらこちらでヘルビンの指示を求める声が飛び交う。
「B2兵、左右の敵を殲滅しなさいっぴ。
カルロス団とヘルッピー団で後方を押さえろっぴ。」
ヘルビンは大声で伝える。
「カルロス団後方支援だ。自分が生き残ることだけ考えろ」
カルロス副隊長はカルロス団のスローガンを伝え、後方支援に回る。
——複数のパターンを考えるっぴ
敵の数が4万3000の場合、余裕で突破可能。
それに加えて、A国国王の手元の軍、2万をぶつけてきた場合……突破可能
最悪のパターン、そして一番濃厚なパターン
A国がB国以外の国と同盟を組んでいた場合……
現在、E国がタイミングよくB国を侵攻しているのも合点がいく
10万の敵をぶつけてくる……もしくはそれ以上の場合……ここにいるB隊全滅
B隊全滅だけは避けなければならない
しかし、逃げたところで背を討たれるだけ……
ならば、前方の敵から背を向けずに敵を葬る
「このまま民兵、B3兵は前方の敵を減らせっぴ!!」
ヘルビンは叫んだ。
「ヘルビン様の命令通りそのまま前進し続けろ!!」
それに呼応して、B3兵が目の前の敵を葬っていく。
民兵は諦めている兵が大半だが、それでもなんとか喰らいついている兵もいる。
「今から増援が来るっぴ。それまで持ちこたえるっぴ。」
ヘルビンはB1兵に向けて、伝える。
ヘルビンがA国侵攻前に、B国国王と立てた計画。
それは時間差攻撃計画——後からB1兵の騎馬隊2万騎を送るという計画である。
本来ならば、敵の数は最大で4万と考えていたため、時間差攻撃により余裕でA国侵攻を成功で終わらすことができた。
しかし、敵の数が10万を超える可能性が出てきたため、ヘルビンとB国国王は完全にハメられた形となった。
左右からの矢の量は減りつつあるが、後方の敵は全く減っていない。
「——B隊援軍およそ2万!!B隊援軍およそ2万!!」
B1兵は嬉しそうな声音で伝える。
増援の2万騎の馬の駆ける音が鳴り響いている。
「何事だ?後ろから騎馬隊が大量に来ているぞ!!」
A隊の兵士たちはパニックになった。
一本道であるから、逃げ場はなく、今度はA隊が挟み撃ちをされ、格好の的である。
——うあああああああああああ
後方のA隊2万の兵がB1兵の騎馬隊に押しつぶされていく。
左右の森に駆け込むA隊兵はすでに左右を制圧したB2兵によって、倒されていった。
「このままの勢いで、前方の敵もなぎ倒せっぴ!!全兵、真ん中の道を開けろっぴ!!」
民兵はほとんどやられてしまって、B3兵は2000人から1000人程度に減ってしまった。
ヘルビンは勢いが大事だと判断し、前方にいるB3兵になんとか道を開けさせ、援軍の2万を前方にぶつける。
その勢いはとどまることを知らず、援軍のほとんどが無傷で前方の敵を葬ることができた。
「ヘルビン様、ご無事で何よりっぽ。」
ヘルビン隊長の右腕B国ナンバー13ニット・ルーカスが特徴のある語尾で言った。
ニットは坊主頭でヘルビンと同じく、目の周りを黒く塗っている男である。
B1兵2万の援軍とともに、ヘルッピー団1800人が合流した。
「よく来たっぴ。
ニット……早速頼み事っぴ。
前方の集団に追いついて、森を抜けた先の敵の様子を確認してこいっぴ。
それと、森を抜けたら、一度待機させろっぴ。」
「了解っぽ。」
ニットは馬のお尻を叩いて、前方集団の方へ向かった。
「めっちゃ怖かったぞ……」
チンタマは股間を揉みながら言った。
「俺も3回は死んだと思った」
ポールトも恐怖を乗り越え、股間を揉みながら言う。
「いや、思ったより敵がノロかったぞ」
ランドビーは恐怖を感じなかったのか、股間を揉まずに、元気そうな顔をしている。
「人を初めて殺したけど、やるかやられるか……戦争だから仕方ないよな」
ポールトは自分に言い聞かせるように言った。
「敵も矢を放ってきたんだ。やるしかなかった。」
ランドビーも自分に言い聞かせた。
チンタマは何も言えなかった。ただ2人のあとを追いかけただけだから。
しかし、カルロス副隊長の走りトレーニングによって、体力的にはついていけるようになっていた。
「こういう時は下ネタだよな?チンタマ」
ポールトは落ち込んでいるチンタマをみて、気を利かせた。
「おう、もちろんよ。戦争終わって、無事に帰って、女の子の谷間にダイブするんだ」
「流石、変態の王だぜ」
ランドビーは戦争中とは思えないぐらい笑った。
それにつられて、チンタマとポールトも笑った。
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