もう付き合えよ!
「で、あるからして……」
俺は授業を聞きながら桃花を見ていた。
(はあ、なんてかわいいんだ)
俺は心の中で彼女を愛でていた。
あんなにかわいい子が俺のことが好きで告白をしてくれる予定なんて……
どんなご褒美だ!!
心の中は祭りであった。
「今日はここまで」
チャイムとともに授業は終わる。
それと同時に桃花が近づく。
「ねえ光?」
「うん?なんだ?マイハニー」
「もしかして、私のこと見てた?」
「ああ、見てたずっと!!」
俺は自信満々で答える。
「やっぱりね。視線を感じてたのよね」
「おお、悪いな」
さすがにずっとは……
「いいわよ」
「へ?」
「むしろ見てて?」
「な!?」
か、可愛い!?
こんな生物が地球上にいるんなんて……
だが、俺も負けてられない!
「いいのか?」
「え?」
「トイレにお風呂いつだって見るんだぞ?」
「!?」
言葉の意味に気づいたのか、ビクつく桃花。
「そ、それは……心の準備があるから……」
「ぐは!?」
そ、そんな馬鹿な!?
照れさせても可愛いだと!?
「じゅ、準備ができてたら見ていいのか?」
ごくり。
「う、うん」
その場には沈黙が生まれる。
(いや、もう付き合えよ!)
クラスみんなの思いだった。
「そ、それよりさ、この後、放課後に出かけないか?」
「うん。いいけど……京子もつれて?」
「はっはっ!!」
「うわ!?いつの間に!?」
いつも授業が終わると来ているのだ。
だが、今日は気配を感じなかった。
「二人がいい感じだったから遠慮したんだよ?ほめて!」
「お、おう。よしよし」
「ふふ」
これどうしよう……
ほんとにペットみたいなんだけど?
「で、どうするの?ひ・か・る?」
お、お怒りだ。
「京子!今日は俺についてくんなよ?」
「えー」
案の定嫌がりやがる。
仕方ないこの手は使いたくなかったが……
「友達やめるぞ?」
「うー」
ふ、効いてるな。
「京子いい加減光君をあきらめたら?」
「ふん、嫌!」
「へえー私にあんなことしたのに?」
「それとこれは別!」
二人は火花を散らす。
「あのな、京子。俺はお前とは付き合えない。何度も言ってるだろ?」
「まだ二人付き合てないんだもん!」
「そ、そうだが……」
「時間の問題よ!」
「いいもんそれまでに光君にご主人様になってもらう!」
そう言って彼女はどこかに去っていく。
「はあ、あいつには困ったな…」
「……京子もきっとわかってると思う…」
「そうなのか?」
「うん。変なところで物分かりがいい子だから…」
まあ、たしかに親の件も自分で見てくれてないと分かっていたからな。
「だといいが……」
そうして俺は二人で帰ることになった。
「どこに行こうか?」
「うーん。光は何かある?」
「そうだな……桃花の家に行きたい!」
「え!?私の家!?」
「ああ、久しぶりに桃花の家に遊びに行きたいなってな」
「い、いいよ?」
「よし、じゃあ行こうぜ?」
俺はそうして桃花の家に向かうことにした。
だが、これは軽薄だった。
二人は舐めていた。
好きな人と同じ部屋、二人っきりという空間を。
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