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彷徨逡巡

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*


山頂へと続く道は、静かに二つへ割れていた。

薄明の気配に濡れた立札は、下車した旅人だけにそっと行き先を示す。


左は、安らぎへと緩やかに降りてゆく安路。

右は、影と風を連れて険しく伸びる難路。


どちらを選んでも、辿り着く先は変わらぬ『安住の地』。


旅人は、立札を前に足を止める。


安路にて耳を澄ます者となるべきか――

難路にて物語を紡ぐ者となるべきか――


どちらも正しく、どちらも誤りではない。

ゆえに、選ぶことは重く静かに胸を揺らす。


旅猫の汽車は止まらない。


だから今は次の駅へと運ばれてゆく。

終着駅の訪れを胸の奥でそっと待ちながら。


*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

挿絵(By みてみん)




 気にかけてくださり、本当にありがとうございます

※挿絵は Gemini Nano Banana Pro による生成画像です※

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