救援
#日記:地球歴 残存記録 第196日
#場所:独立星系連合 主要拠点惑星 『エレーナ』ガデール共和国首都近郊航空基地上空
【ザビーダ大尉視点】
「くそ…敵の数が多すぎる!」
基地を取り囲む敵部隊を攻撃したくても、航空優勢を確保しようとする航空機群のせいでうまくいかない。
それに一機だけ、高い高度でこちらを見下ろしている機体がある。実力不足だってか!?…とはいえ、これ以上は耐えきれん。機体も悲鳴を上げてきている。
ルークとエドワードの言うとおりに撤退していれば、今頃は再出撃できていただろうに…
「…くそ!油断した。後ろをとられたか…振り切れない!」
敵からレーダー照射を受け、警告音が鳴り響く。レーザーを撃ってこないあたり、なめられているのだろう。
ここまでか…そう諦めた瞬間
敵戦闘機が急に爆散した。周囲の敵戦闘機も、すごい速度で散開し始めた。一機、こちらに向かってくる漆黒の機体。その機体には、煉獄の炎が模られていた。
「エドワード二等軍曹…援軍が間に合ったのか?」
基地を見下ろせば、味方の爆撃機と戦闘機が敵地上戦力に対して攻撃を開始したようだ。航空戦力を率いている機体。あれはルークだろうな。結局、あいつらが正しかったわけだ。
「ザビーダ大尉。ご無事ですか?」
エドワードから通信が入り、俺は現実に引き戻された。彼らには隊長として不甲斐ない姿を晒してしまった。せめて、ここから威厳を示さないとな。
「エドワード…救援感謝する。航空優勢を確保する。協力してくれるか?」
「無論です。始めましょう!」
俺はエドワードの機体と並び、残存する敵航空戦力に向かって突撃を開始した。漆黒の機体は、まるで影のように敵の間を縫い、一撃で一機を撃墜する。俺もそれに合わせ、残りの敵を追い詰める。ルーク率いる部隊が地上の敵を蹴散らすことで、上空の戦闘も徐々に優勢になっていく。
「大尉、右翼に敵編隊が接近!」
エドワードの警告で俺は振り返り、レーザーを発射。敵機は回避しようとしたが、エドワードの機体が横から襲い、撃墜した。
この連携…まるで長年一緒に戦ってきたかのようだ。彼らは俺の命令を無視して撤退したが、それは正しい判断だった。俺の傲慢が、この危機を招いたのだ。
戦闘が終わり、基地上空は再び静寂に包まれた。いつの間にか、敵エースは撤退していた。2人が来てくれなかったら俺は今頃…
俺はエドワードとルークに通信を送った。
「…今回は、俺が間違っていた。お前たちの判断が正しかった。感謝する。」
彼らからの返答は簡潔だった。
「任務は続きます、大尉。次は一緒に勝ちましょう。」
俺は機体を基地へと導いた。傷ついた自尊心よりも、生き残った部隊と、新たに得た信頼が重かった。この敗北と救援は、俺に本当の指揮官の姿を教えてくれた。明日の戦闘では、違う結果を導くために。




