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出撃
結局、敵軍は基地内を物色した後、こちらが壊滅したと判断して、撤退したようだ。
基地内が腐敗臭で満ちていたことも撤退要因かな?
緊張感が緩んだことで俺はそのまま眠ってしまっていた。
残されていた銃も旧式だったことから、処分費用なためか、放置されていった。
爆破されなかっただけ嬉しい。
俺は装備を整え、銃をかまえたまま、周囲を偵察した。敵軍の司令部があった場所も何も無い荒原に戻っていた。
完全に撤退したようだ。
これなら滑走路から飛び立っても、撃墜されることはないだろう。
まぁ…どうせここにいた敵軍にも対空戦力なんてなかったけどな。
俺は再度、シャワーを浴びてから倉庫に向かうと滑走路先のゲートを開けた。
そして…
俺は機体に乗り込むとエンジンをかけた。
システムが起動された。
ゲームで遊んでいた機体のシステムにそっくりだ。これなら存分に使えるはずだ。
ここを出れば、俺は確実に死ぬ。
俺は戦場に出るたびに持ち歩いていた遺書と家族で撮った写真を胸ポケットにしまうと…
「第121攻撃部隊…認識コードND-57…出撃する!」