最強はどちらだ?
「両者…準備はいいか?」
「ルーク、セバスに頼んでここに医療班を向かわせろ。大至急だ。」
「なんでだ?シュミレーションだぞ?」
「いいから、言う通りにしろ!」
「答えろ。オレだけ蚊帳の外にするな!」
「ちょっとこい。」
「エドワードが使徒様?それまじかよ。」
「彼が短期決戦すると言ったのは、スキルをフル活用するという意味で、それが長引けば体を酷使する。陛下も以前、吐血された。何が起きるか分からん。頼む。」
「分かった。俺も知り合いの医師に連絡する。彼を頼むぞ?」
「分かった。大至急頼む。」
「では、開始だ!」
俺は、シュミレーション開始と同時にスキルを3つとも発動させた。
ゲラール司令官を捕捉すると同時に、コックピット向けて超至近距離で狙い撃った。
だが、寸でのところで機体を傾けて致命傷を避けた。至近距離で仕留めきれないということは、こちらが圧倒的に不利になるということ。
俺は、機体の限界フルパワーでその場から離脱した。
「流石だ!あの一瞬で狙ってくるとは。それに…逃げ足も一級品と来た。だが、軌道はまだまだだな。」
銃弾がどういうわけか俺が逃げる方向に飛んでくる。
これが…経験。撃墜王の由来か…
戦闘開始から10分…
ゲフッ…不意に出たものを拭うと血だった…
スキルの多用には体に負担が大きいようだ。
もうここで決めるしかない。
1回限りの賭けだし、成功するかは、運次第。だが、何もせず負けるのはごめんだ。
俺はわざと司令官に向かって飛行した。
予想通り銃弾が雨あられのように飛んでくる。俺はそれを致命傷にならないように回避しながら突貫し、命中させた…
そして…吐血し、意識をなくした…




