実力確認②
「ん…まぁ、予想通りのメンツが残ったな。」
結局、残されたのは、イルメシアス男爵家一行と俺だけ。
「イルメシアス達は攻撃的で迫力のあるスタイル。だが、エドワード君は、迫力ないものの、一撃コックピットに叩き込んで終わらせる。優しそうに見えて一番残酷だな。」
「残酷だなんて…私はあくまでも敵であろうと死ぬときは苦しまないようにしたいだけです。」
「エドワード伍長。とても優しく勇敢ではあるが、敵に対しては常に冷静に対処することを心がけろ。躊躇すれば死ぬのは君だ。」
「精進します。」
「さてさて、次は誰かな?」
「ルーナ少佐とエドワード伍長。ザビーダ少尉とルーク先任曹長ですな。」
「ルーク相手なら楽勝だな。」
「その鼻っ柱をへし折ってやるよ。」
「やれるもんならやってみろ。万年5位」
「エドワード君。楽しみ見してるわね。君の実力。」
「…頑張ります。」
「強い…というか、あの機体どんだけ頑丈なんだ?」
ルーナ少佐の機体は機動性は他の機体より劣るものの耐久性と兵装の数は群を抜いている。少しでも後ろを取られれば銃撃の嵐に晒される。
「でも…これで!」
俺はわざと後ろを取らせ、彼女が射撃した隙に操縦桿を前に倒し(つまり上昇する)そして、右に倒し(機体に旋回が加わる)、ブレーキペダルを思いっきり踏み、急減速した。
つまるところ、"コブラ"と呼ばれる飛び方を実際にやったわけだ。あの初戦闘で敵エース機にやったことだが…
俺はそのままルーナ少佐の後方を取ると、全弾倉を撃ち尽くした。スラスターを中心に主翼尾翼を狙ったため、機体は損傷激しく爆発した。
「いや〜強いね!エドワード君。そもそも最後のアレ何?」
「コブラ軌道だろう?戦闘で使うやつは初めて見たが、よくやったもんだ。」
「実戦でも使ってますし、慣れれば問題ないです。」
「これで、君が名実ともにNo.2確定だな。」
「え…?」
「ザビーダとルークは時間切れの引き分けだ。」
「あ…そうですか。」
「さてさて…ようやく本番か。最強がどちらか決めようか!経験が勝つか…才能が勝つか。」




