実力確認①
「実力の再確認ですか?」
「子奴らだけではないぞ?お前もだ、ザビーダ。」
「納得は致しますが、どうして父上と母上が?」
「そりゃ、エドワード伍長の実力確認をするために…」
「どうせ、それがメインでしょう?」
「せっかくの機会だ。今この場所には南部方面軍のパイロットの過半数の者がおる。ここで圧倒的な実力を見せれば今後の活動に生かせるだろう?」
「それ…母上の案ですよね?」
「何…!?」
「完全脳筋ダルマの父上がそんなこと考えるはずがありません。」
「そのとおりですよ。この人はさっきからエドワード君のことばかり。」
「流石は皇室直轄諜報部隊を率いていただけはある。」
「こんなこと、私でなくても子どもでもわこること…オホホ」
「皇室直轄…諜報…」
俺はその2つを延々と繰り返していた。
南部方面軍の航空部隊を統率する一家とその一家の帰りを待つ諜報のトップを務めた女性
俺…とんでもない人達に目をつけられたのかも…
「その話…儂も噛ませてもらおうかの?」
「「「総司令閣下!!!」」」
即座にその場で片膝をついて配下の礼を努める。
「南部方面軍の航空部隊の序列を決めるのであろう?とは言え、上の序列は殆ど変わらぬではないか?」
「ええ。恐らく、父上とエドワード伍長の直接対決が見られるかと。」
「ゲラールの現役時代を知るものはもう多くないが、凄かったのだ。今でも陸軍の将官達はゲラールに恩を感じるものが後を絶たぬ。彼は勝てるのか?」
「互いに旧式機体を運用しております。後は、才能が勝つのか経験が勝つのか…。これは、やってみなければ分かりません。」
「では、消化試合を軽く見てから始めるとしようかの?」




