南部方面軍本部
宇宙海賊襲撃後は特にそれといったイベントもなかった。
ザビーダ少尉やルーク先任曹長から部下達が質問に来たら答えてほしい。と言っていたが、それも特になかった。
まぁ…理解はできるけどな。おそらく彼らは優秀な生徒だったんだろう。帝国軍の士官学校では。
そこに奴隷出身でありながら、いきなり伍長に昇格した上に自分達の空間に入ってきたんだから、邪魔に思うのも仕方がないと言える。彼らの反応のほうが自然だろう。
因みに俺は艦内の演習場にある屋内戦闘用施設に来ている。
仮に敵艦に乗り込むことが今後、ないとは言えない。その時、銃を使えない時に戦えません。なんて、格好悪いこと言えない。
今俺は、人間と同じくらいの柔らかさを持つ特殊なドロイドと格闘訓練を積んでいる。
学生の時、クラスメイトに柔道の全国総体を連覇している子や剣道で全国出場している子、外部のジムでボクシングのアマ王者になってる子もいた。
その子達からそれぞれ簡単な動きを教えてもらっていた。それを反復練習しながら、帝国軍戦闘術をスキルを使いながら覚えながらかわしていく。
1時間もするとスキル使用のせいか…バテバテで動けなくなんだけど。
「おっと…いたいた。通信機渡してなかったから、探すのに苦労したよ。」
俺は声のする方向に振り返るとルーク先任曹長がこちらに歩いてきていた。
「何してんだ?」
「特にやることもなかったので、格闘訓練をしていました。」
「あ…そういうことね。そんなことより、そろそろ本部に到着するから部屋でシャワー浴びて軍服に着替えて、兄貴が案内したと思うけど、ブリーフィングルームの大きい方に集合ね。」
「そのブリーフィングって後何時間後なんですか?」
「あと…1時間だな。」
「えっ…すぐ準備します。」
「全員集まったようだな。聞いているものもいるとは思うが、再度連絡しておく。もうすぐ本部に到着する。陸軍と海軍の者たちは、直属の上官達と各将校のもとに出頭。次の指示を聞くように。空軍についてだが、ザビーダ少尉。」
「はっ!航空軍は、航空師団師団長から今後の教練について連絡事項がある。いつものブリーフィングルームに集合するように!それとルーク先任曹長!」
「はっ!」
「エドワード伍長を伴って本部内を説明してやってくれ。昼休憩後に師団長との面談がある。それまでに頼む。」
「承知致しました!」
「エドワードもわかったな?」
「はいっ!」
ようやく…南部方面軍の本部に着くんだ。奴隷部隊を指揮していた軍人が言うには、凄いでかいんだよな。それに周囲をとんでもない数の護衛艦や護衛機が巡回してるらしい。
楽しみだな。




