これは…
倉庫内はカビや悪臭共にガソリンや機械の鉄の匂いで鼻が曲がりそうだったので、一旦戻り、基地内に置いてあった酸素マスクを付けて再度入った。
航空部隊全滅後、ここは誰も入っていない。
大した期待も抱いていなかったが、おれは奥へと進んでいった。
そして…
俺は見つけた。残されている機体を。
ただ…
「試験機体?」
どうして、文字が読めるのかって?ここに来る輸送機の中でよくわかんない装置につながされて頭に無理やり言語をインプットさせられたからな。
日本語と同等の知識は有している。
そこに書かれていることを簡単に訳すと、
【試験機体。エネルギーは充填済み。操縦は完全マニュアル。パイロット達に非難されたが知ったことか。こいつを飛ばせるパイロットがいるのなら、そいつはきっと帝国の英雄になるべき人材なのだろう。これを読んでいるものがそんな男であることを切に願う。】
…ちなみにこれを書いていた技術者は、パイロット達が全滅した後に整備士達によって袋叩きに遭って死亡している。
そういえば、帝国の航空機は自動操縦やAI搭載機ばっかりだったなぁ…
結局は、パイロットの腕次第ってところか。
これでも戦争ゲームの戦闘機操縦の為に、操縦席を完全再現したセットを10万弱で購入し、ゲーム部屋で楽しんでいた。
これでも世界大会にだってでてたんだ。操縦には大変自信がある。特に乱戦は大得意だ。
最期はこれで大きな花火を打ち上げてやろう。