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身分差別認めない!
「それで?何か言い分はあるか。二等軍曹。」
「ゲイルでございます。総司令閣下。」
「名前などどうでも良い。それで?我々全体の恩人である彼を見殺しにしようとしたことについて何か言い分でもあるか?」
「ございます!私は何も間違ったことはしておりません。帝国において、奴隷は差別対象。それの何が間違っているのですか!」
「確かにな。だが、お前の言い分には穴がある。何か分かるか?」
「穴?」
「お前の言う差別対象となる奴隷とは犯罪奴隷のことだ。それで彼の所属はどこか知っているのか?」
「いえ…」
「ここの戦線につれてこられている奴隷達は、戦争奴隷達だ。つまり、仮に奴隷だとしても食事は他の兵達と同一であり、武器も使って良い。そなたが差別にして良い対象ではない。」
「そんな…私はどうなるのですか。」
「閣下。彼は実力は本物です。ここで失うのは惜しいかと。」
「ふむ…では、司令官達の温情も鑑みて、2階級降格とする。今後は伍長だ。兵卒にならなかったことを司令官達に感謝するんだな。」
「はっ…ありがとうございます。」
「それでは下がり給え。」
どうして、この俺がこんな目に…




