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夜と星空の異世界冒険譚  作者: 麻渚
第二章『フォンティア王国』編
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第六話「水の国」

朝食を終えた四人は、再び森の中を進み始めた。


道中で現れるリーフウルフを相手に戦闘を重ねる。


「左!」


「任せて!」


ソラの声に合わせ、ヨルが前へ飛び出す。


ホシの「ルア・ノヴァ」がリーフウルフの注意を引き、その隙をヨルが剣で仕留める。


ソラも「ルア・ウィンド」で援護し、必要に応じて「ルア・ブースト」でヨルを強化する。


昨日までとは違う。


三人は互いの動きを見ながら、自然と連携を取れるようになっていた。


「皆さん、本当に上達が早いですね」


ニクスは微笑みながら見守る。


危険な場面では助言をする程度で、自ら戦うことはほとんどなくなっていた。


最後のリーフウルフを倒すと、ヨルは大きく息を吐く。


「これで終わりか」


ニクスは三人のもとへ歩み寄る。


「皆さん、お疲れ様です」


三人の体には、戦闘でできた細かな切り傷や擦り傷が残っていた。


「ルア・フローラ」


優しい緑色の光がヨル、ホシ、ソラを包み込む。


傷はみるみるうちに塞がり、疲労も少しだけ和らいでいく。


「これで大丈夫です」


「ありがとう」


ヨルが礼を言う。


「どういたしまして」


ニクスは微笑んだ。


「そういえば皆さん、冒険者カードは確認しましたか?」


「確認?」


ヨルが首を傾げる。


「冒険者カードに魔力を流すと、現在のステータスを見ることができますよ」


「そんな機能があったのか」


三人は揃って冒険者カードを取り出した。


魔力を流し込む。


すると、カードの表面に淡い光が浮かび上がる。


「おぉ……」


ヨルは思わず声を漏らした。


「レベルが20になってる!」


ソラが嬉しそうに声を上げる。


「……ほんと」


ホシも小さく頷いた。


「一日でここまで上がるなんて……」


ニクスは少し驚いたように三人を見る。


「皆さん、やはり成長が早いですね」


「レベル20か」


ヨルはカードをしまう。


「このままフォンティア王国を目指そう」


「おー!」


「……うん」


四人は再び歩き始めた。


森の中を進みながら、時折現れるリーフウルフを倒し、フォンティア王国への道を進んでいく。


「そういえば」


ヨルがニクスを見る。


「フォンティア王国ってどんな国なんだ?」


「フォンティア王国、ですか?」


ニクスは少し考え、言った。


「一番の特徴は、水ですね」


「水?」


「はい」


「王都全体が美しい水に囲まれていて、国中には透き通った水路が流れています」


「楽しみだね!」


ソラが目を輝かせる。


「それに、王都の中央には大きなお城があります」


「そのお城の下から大量の水が湧き出ていて、大きな滝となって王都全体へ流れているんです」


「お城の下から?」


ヨルが驚く。


「はい」


「その水のおかげで、フォンティア王国は豊かな国として知られています」


「なんかすごそう!」


ソラが笑う。


「王都は東西南北の四つの区画に分かれていて、お城へは一本の大きな橋が架かっています」


「晴れた日の夜は、星空が水面に映るんです」


「まるで星に囲まれているみたいで、とても綺麗なんですよ」


「……楽しみ」


ホシが小さく呟く。


「早く見てみたいな」


そんな話をしながら、四人はフォンティア王国を目指して歩き続けた。


――数時間後。


森を抜けた先で、ニクスが足を止める。


「見えてきました」


「!」


ヨル達が視線を上げる。


そこには、一面に広がる青い海。


そして、その海に囲まれた巨大な王国が姿を現した。


街中には透き通った水路が張り巡らされ、中央には巨大な滝を背にした王城が堂々とそびえ立っている。


「すご……」


ヨルは思わず言葉を失った。


「綺麗……!」


ソラが目を輝かせる。


「……すごい」


ホシも静かに見入っていた。


そんな三人の反応を見て、ニクスは嬉しそうに微笑む。


四人は南側の大門をくぐり、王都の中へ入っていく。


透き通る水路。


行き交う馬車や人々。


どこを見ても美しい景色が広がっていた。


しかし。


「……ん?」


ヨルはふと足を止める。


「どうした?」


ソラが振り返る。


「いや……」


ヨルは周囲を見回した。


「兵士、多くないか?」


その言葉にホシとソラも辺りへ視線を向ける。


確かに、鎧を身にまとった兵士達が街中を慌ただしく行き来していた。


住民達もどこか落ち着かない様子で、小声で何かを話している。


「確かに……」


ニクスも辺りを見回す。


「私も、こんなフォンティア王国を見るのは初めてです……」


四人は小さな違和感を抱きながら、王城へと向かうのだった。

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