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1.きっかけは喫茶店㉔
♦蓮の本音
そのまま連に連れられ綾は車に乗った。
静かな車内で、蓮はしばらく黙っていた。
けれど、
握られた手は離さなかった。
蓮「…悪かったな」
綾「え? 何ですか?」
蓮「急に迎えに行って…。
あいつに…その、嫌な思いさせたかなって思って」
綾「そんなことないです」
蓮はほんの少し表情を崩して呟く。
蓮「…綾があいつと話しているのが、
思った以上に嫌だった」
胸の奥がじんわり熱くなる。
綾「蓮さん、嫉妬したんですか?」
問いかけると、蓮は僅かに視線をそらし、
蓮「悪いかよ」
静かで、少し照れた声。
その不器用さが、心臓の奥底まで甘く響く。
綾は小さく首を振り、握られた手にそっと力を込めた。
綾「嫌じゃないです。
むしろ…嬉しいです」
蓮は息を吸い込むと同時に、
綾の手をぎゅっと握りしめた。
蓮「…綾」
名前を呼んだ声がいつもより低くて、甘くて、
胸が甘くしびれる。




