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1.きっかけは喫茶店⑳
♦蓮の嫉妬
車が走り出しても、蓮は珍しく黙ったまま。
気まずい沈黙に耐えられず、綾は勇気を出して口を開いた。
綾「蓮さん…怒ってますか?」
蓮「怒ってねぇよ…」
言った言葉は落ち着いているのに、
膝の上で握られている拳だけが本音を語っていた。
蓮「ただ…」
蓮が少しだけ視線を窓に向け、
まるで不器用な少年みたいに呟く。
蓮「綾が、他の男と仲良くしているのを見るの…正直、好きじゃねぇ」
胸が一気に熱くなる。
蓮「別に、俺のもんになれって言っているわけじゃない」
綾「……」
蓮「けど、誰かに触れられるのをは、気分が良いとは言えねぇな」
普段は落ち着いている蓮が、
嫉妬でこんなにも言葉を選んでいる。
その様子が胸に甘く響いてたまらない。
綾「蓮さん…」
蓮「ん?」
綾「海斗くんはただの友達です。
蓮さんを不安にさせるつもりなんて、ありません」
そう言うとー
蓮は静かに息を吐き、綾の方へ身体を寄せた。
蓮「…安心した」
そして、そっと綾の手を取り、指を絡める。
その指はいつもより力が入っていて、
伝わってくる温度が胸をさらに熱くした。




