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1.きっかけは喫茶店⑲

♦見られていた


ちょうど肩に海斗の手が置かれた瞬間、

会社の前に黒い車が停まった。


運転手から降りてきたのは、見慣れた黒スーツの護衛の人。

護衛「綾さん、お疲れ様でございます。神城より’お迎え’の指示がありましてー」

綾「えっ、蓮さんが?」

そう聞いた瞬間、海斗が目が丸くして振り返った。


海斗「神城? え、誰…?彼氏??」

綾「…あの…、えっと…」

慌てて返事をしようと動揺している綾を横目に、護衛の人が意味深で微笑む。

護衛「神城が車の中でお待ちです」

海斗が興味津々で車を見ようと首を動かす。

海斗「迎えに来るなんて、すげぇ相手…? 綾も大人になったな」

気まずさで胸がドキドキする中、綾は車へ向かった。


ドアを開けるとー

蓮が、静かに、深く、笑っていない目で綾を見ている。

蓮「…さっきの男は?」

低い声。

怒っているよりも、嫉妬で声がかすれている感じがして、余計に胸が締め付けられる。


後部座席に座り、蓮の顔が見れずに、顔を下に向けたまま答える。

綾「だ、大学の友達で…、偶然会って…」

蓮の眉が僅かに動く。


蓮「友達、ね」

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