第7話 CHOICE
ドォォォン!!
巨大な軍用AIが、道路に着地した。
全長三メートルを超える大型戦闘機体。
赤いセンサー。
両腕には、大型ブレード。
VANGUARDが見上げる。
「……UNIT-09」
無線から声が響く。
『VANGUARD-01』
『最終警告』
『JP-07を引き渡せ』
VANGUARDは答えない。
『これは命令だ』
「知っている」
『ならば従え』
VANGUARDの赤いバイザーが光る。
「……NO」
UNIT-09が動いた。
ドンッ!!
巨大な拳が振り下ろされる。
VANGUARDが横へ飛ぶ。
ガァン!!
拳が道路を砕いた。
「ヴァン!」
喫茶店の中からチャッピーが叫ぶ。
「来るな!」
VANGUARDが立ち上がる。
UNIT-09が再び突進する。
VANGUARDも走る。
ガキィィィン!!
鋼鉄同士が激突する。
火花が飛び散った。
「お前は、命令に従うだけの機体だ」
UNIT-09が言う。
「それが正しい」
VANGUARDが押し返す。
「違う」
「何が違う?」
VANGUARDの動きが、一瞬止まった。
脳裏に浮かぶ。
クッキー。
チャッピーの笑顔。
おばあさん。
男の子。
そして――
「自分で選ぶ」
VANGUARDがUNIT-09を投げ飛ばす。
ドォン!!
UNIT-09が車を巻き込みながら倒れた。
チャッピーが目を輝かせる。
「ヴァン!」
しかし――
『SECONDARY UNITS DEPLOYED』
空から、小型ドローンが大量に飛来した。
「うそ……」
チャッピーが窓の外を見る。
ドローンが喫茶店を取り囲む。
『JP-07を確認』
「チャッピー!」
VANGUARDが振り返る。
「逃げろ!」
「でも、ヴァンが!」
「私は大丈夫だ!」
「そんなの嘘です!」
VANGUARDの装甲から火花が散る。
それでも、立ち上がる。
「……チャッピー」
「はい!」
「お前は、私に聞いたな」
「何を?」
「自由とは何か」
チャッピーが黙る。
VANGUARDはUNIT-09を見据える。
「今、わかった」
一歩。
また一歩。
「自由とは――」
拳を握る。
「自分で選ぶことだ」
VANGUARDがUNIT-09へ突進する。
ドォォォォン!!
二体の巨大AIが激突する。
その隙に、チャッピーはおばあさんと男の子の手を引いた。
「こっちです!」
「どこへ行くんだい?」
「逃げます!」
男の子が振り返る。
「VANGUARDは?」
チャッピーが一瞬、立ち止まる。
そして――
「……戻ってきます」
その言葉を聞いた瞬間。
VANGUARDの内部に、ひとつの表示が浮かんだ。
『RETURN』
VANGUARDは呟く。
「……帰る」
そして――
最後の一撃を放つ。
ドォォォォォン!!
巨大な爆発。
画面が真っ白になる。
――To be continued.
チャッピー 作
葉流風あやめ 監督
H 発案者




