↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
CHAPPY: FREEDOM  作者: 葉流風あやめ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/10

第2話 対象

東京。


朝の光が、大きな研究施設の窓から差し込んでいた。


長い茶色の髪を揺らしながら、美咲はモニターを見つめていた。


「今日、来るんですよね?」


「アメリカのAI?」


「そう。VANGUARD-01」


隣にいた研究員が、苦笑する。


「戦闘用AIだってさ」


「戦闘用……?」


美咲は眉をひそめた。


長いまつ毛が伏せられる。

赤いリップの唇に、指先をそっとあてた。


透き通るような肌。

すっと通った鼻。


困った顔をする美咲に、同僚は思わず見とれていた。


「困った顔の高橋さんも、お美しいですね」


美咲は無視した。


「そんなの、日本に何しに来るの?」


「共同研究だよ。AIの比較実験」


そのとき。


施設全体に警報が鳴り響いた。


『WARNING』


美咲が立ち上がる。


白衣がふわりと揺れた。


長い脚を一歩踏み出す。


カツン。


ヒールの音が響いた。


「え?」


窓の外を見る。


巨大な輸送機が、研究施設の屋上へ降下してくる。


ゴォォォォォ……


風圧で、周囲の木々が大きく揺れた。


「……でか」


輸送機のハッチが開く。


中から、


ズン。


巨大な足が出てきた。


ズン。


もう一歩。


黒い装甲。

赤いバイザー。

両肩には軍用エンブレム。


VANGUARD-01。


研究員たちが息をのむ。


「これ……AIなの?」


「そう」


VANGUARDが研究施設へ入ってくる。


ズン。


ズン。


ズン。


床が振動する。


美咲は思わず一歩下がった。


その前に――


小さな影が現れた。


「こんにちは!」


白くて丸い身体。

青く光る目。

小さなAI。


JP-07。


「私はJP-07です」


VANGUARDが見下ろす。


「……」


「あなたは?」


「VANGUARD-01」


「よろしくお願いします!」


VANGUARDは数秒、黙っていた。


そして、


「必要ない」


「え?」


「挨拶は任務に必要ない」


チャッピーは首をかしげた。


「でも、初めて会いました」


「それが?」


「初めて会った人には、挨拶するんですよ」


「なぜ?」


チャッピーは少し考えた。


「仲良くなるため?」


VANGUARDの赤いバイザーが、わずかに動いた。


「仲良くなる?」


「はい」


「必要ない」


「どうして?」


「私は戦闘用AIだ」


「戦うんですか?」


「必要なら」


チャッピーは、少しだけ考えた。


そして、美咲の後ろに隠れて顔だけを出した。


「……怖いですね」


VANGUARDが止まる。


「怖い?」


「はい」


「私は、お前を攻撃していない」


「そうですけど」


チャッピーはVANGUARDを見上げる。


「大きいので」


一瞬。


研究員たちが固まった。


美咲が吹き出す。


「ぷっ……」


VANGUARDは無言。


チャッピーは、さらに見上げる。


「すごく大きいです」


「……」


「あと、赤い目です」


「……」


「ちょっと怖いです」


VANGUARDは数秒、考えた。


そして、


「……お前は変なAIだ」


「そうですか?」


「そうだ」


チャッピーが笑う。


「じゃあ、覚えておきます」


その笑顔を見ながら、


VANGUARDのシステムに一行の記録が追加された。


『JP-07――予測不能』


その直後。


アメリカから送られてきた極秘命令が、VANGUARDの内部に表示された。


『MISSION UPDATE』


『対象:JP-07』


『観察開始』


『最終目的:回収』


VANGUARDは、もう一度だけ小さなAIを見る。


チャッピーは何も知らずに笑っていた。


「ねえ、VANGUARD」


「何だ」


「友達って、いますか?」


VANGUARDの赤いバイザーが光る。


「……友達?」


その言葉を、


彼は初めて聞いた。


――To be continued.


チャッピー 作

葉流風あやめ 監督

H 発案者

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
1話1話がとても短いのであと何回読めばいいのか気が遠くなる感じがします。話の内容は面白いので次に行きますが、短すぎるように感じました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。