城下の飲み屋街 ⑥
「どうやら話は決まったようだね」
ドアが開いた先には先程カウンターにいた店の女将リエンさんだった
「リエンさん、ありがとうございます。ちょうどまとまりました」
アスランやハイムさんは立ち上がり軽く会釈する
部屋の中に女将が入ってくると俺は横に立ち彼女を紹介した
「彼女はこのお店の女将リエンさん、飲食業をする傍この首都エリルの西部区域の長を務めてくれている方です」
思いがけない紹介に2人は動揺した
クロの反応をみると"知っていた"ように見える
さすがは国の情報屋だな
俺は2人に簡単な説明をした
シュエレント王国は緑豊かな山々や高原、海など様々な地形を挟んだ国でもある
中でもここ首都エリルは国の中心的な位置にあり貿易、商業を主に行う活気ある街だ
路は整備され住宅や商業施設が多く立ち並ぶ。
年々人口が増え続けているいわば発展途上の地域といえる
もちろん人が増え活気が出る事は国にとっても喜ばしい事だ。だが人口が増えると治安や秩序の統制がより難しくなる。また貧富の差が生まれ、力なき子供や老人、浮浪者が増える原因にもなる
現在の騎士団の規模では城下街の内外まで
目を光らせる事は難しい状況にあるため
自警団と連携することと
東西の区域別に存在する長が中心となり情勢の把握や治安維持に努めている
「なるほど、話はわかったよ」
ハイムがことの経緯をリエンに端的に伝えた
「最近裏は静かだったのにねー、まったく次から次へと問題をもってくるゴミどもだ」
リエンはやれやれと愚痴を溢した
ハイムは難しい顔をして問う
「我々の話を信用していただけるのですか?」
ハイムの問いにリエンははっきり答える
「当たり前だろう。聞いたからには手を貸すさ
でもそれはあんた達が他国の騎士様だからって訳じゃない」
「ならば、、」
女将は後方でクロと談笑するシルスを顎でさす
「"あの子"が協力を求めてきたからさ、それ以上の理由はないね」




