城下の飲み屋街 ④
「なぜ、それをっ」
アスランが俺に詰め寄ってくる
手が出そうになったとき
俺の目の前にクロの手が入った
「クロ?」
クロの表情から笑顔が消え、切長の視線が2人を捉えた
「それ以上は無礼とみなしますが、、?」
「、、、、」
アスランは黙り、ハイムが制する
「ごめんね、シン君。失礼をしてしまって、、」
「いえ、大丈夫です」
アスランを宥め、再び席につく2人だが明らかに先程の言葉に動揺をみせた
「あなた方は
もしかして"そのため"に飛行をしていたのですか?」
俺はゆっくりと話す
「シン君、君は何者なんだい?まさかそこまで悟られるとはね」
ハイムの降参ぎみの様子にクロはようやく合点がいく
「まさか必要以上に街の中や城内を見学したのは、、」
クロの言葉にハイムはやや言葉を濁しながらも答える
「そうだよ、少しでも情報が欲しくてね。密猟者による獣売買に関する情報を」
やはりか
「我が国ある鉱山にはドラゴンの住処が点在しているんだがここ半年程、卵を狙う密猟者が多くて我々も手を妬いていたんだ。世間ではドラゴンの卵は稀少価値が高く高値で売買される
俺たちが探る中で一つの商人が関与している事がわかった。」
それが例の貴族商人か
「なぜ最初から騎士団を通じて報告をしなかったんですか?」
「あの商人達の動向がここにきて途絶えてしまってね。稀少価値の高いものを買うのは貴族か裏ルートの人間だから万が一にも情報が漏れて、敵が逃げる事がないように報告を控えたんだ。これ以上遠方に逃げられると助ける事が難しいからね」
なるほど
だから敵視をしていたのか
「だからワイバーンは怒っていたのですか?」
俺の問いにハイムは驚いた表情をみせる
「シン君、君は気づいていたのか」
「なんとなく、、ですが」
最初にワイバーンをみたとき違和感を感じた
確かに興奮をしていたが
2度目に会った時には穏やかな表情がみられた
ドラゴンは敏感で賢い生き物だ、敵意のない人間を感じとる事も容易い。でも子供が近づいただけで興奮が止まらなかったのは、、、
「狙われたのはワイバーンの卵なんですね」
「、、、ああ、そうだ」
アスランは怒りに拳を握る
ワイバーンは気が立っていた、卵をとられ我が子を攫われてしまったドラゴンの悲しみと怒り
当然の反応とも言える人間への敵視
クロは難しい顔をする
「裏商人が相手となるとちと厄介ですね、彼らの足取りは中々掴めないし、証拠がなければまず捕まえる事はできない」
クロの言葉にハイムも同感の意を示す
「そうだね、俺たちもここにきて手掛かりらしい手掛かりがなくて、困っていたところだ」
食卓が一時静まり返る中
俺は断言する
「いや、手ならあるさ」
アスランやハイムは俺の言葉に顔をあげる




