訓練場でのひと時 ④
騎士達の視線が訓練場の入り口に集中した
コツ、、、コツ、、
第一騎士団のイスラ団長と騎士達の横を
数十名の黒龍騎士団がゆっくりと歩いてくる
もちろんアスラン騎士団長を先頭に
漆黒の鎧とマントを纏いながら訓練場内を品定めするように視線をめぐらせる
イルとテルは俺を隠すように前にでる
訓練場の中心までくるとイスラ団長が口を開く
「こちらが日々騎士達が訓練している場です。基礎体力づくりはもちろん、実践を想定した武器・馬の扱いなどを行います」
イスラの説明に対しアスランは無言のまま
代わりに隣にいた副団長のハイムが答えた
「こちらがそうなんですね、広さや設備も申し分無い。さすがは名高い騎士の集まりであるシュエレント王国ですね」
「ありがとうございます」
社交辞令にも似た会話のように思えた
「因みにこちらでは騎士見習いも訓練を?」
ハイムの問いにイスラは数秒経って応える
「ええ、訓練をすることもありますね」
「そうなのですね〜では今日はもう終わってしまったのでしょうか?」
尚も畳みかけるハイムにイスラは動揺する事なく答えた
「ええ、今は騎士達が訓練をする時間ですね」
「そうでしたか、それは残念。我が団長に1発殴った
"あの少年"、、シンと言ったかな?挨拶をと思っていたのですが」
ハイムは残念そうに呟く
「挨拶ですか?」
「ええ、あの時はこちらに着いたばかりでドラゴンも興奮していました。きっかけはどうあれ港にいた子どもを助けれたのは騎士見習いの子のおかげですし
なによりうちの団長に平手打ちを、、、っ笑いや、失敬」
クククっと思い出し笑いをするハイムに
アスランは無言のまま睨んだ
「取り乱してしまい申し訳ない、とりあえずお礼の言葉をかけたいのですがその騎士見習いはいますか?」
「、、、「申し訳ありません、イスラ団長。騎士見習いは今野外の訓練に出てしまい不在です」」
ハイムとイスラの会話に入ったのはテルだった
ハイムとアスランの視線がテルに移る
「ご紹介が遅れました、私第二騎士団副団長のテルと申します。現在騎士見習いは出払っており城内にはいません。申し訳ないですがお気持ちだけ頂戴しておきます」
「そうでしたか、では仕方ないですね、あきらめましょう」
ニコリとテルに向ける表情に対して
ハイムの瞳は笑っていないようにみえた
"今回は、、、ね"
心の中で呟かれた
「訓練の邪魔をするのも良く無い、そろそろお暇しましょう」
ハイムが踵を返すと同時に黒龍騎士団達も出入り口に向かう。アスランは無言のままテルを、、、いや、後方にいたイルに視線を送ったが何も言わずに去ったっていった
き、、気づいてた
まさかね、、
黒龍騎士団が訓練場から退席したのち
イスラさんの軽いため息が溢れた。
俺はイルの横からひょっこりでてきた際、イスラさんと目が合う
「さて、"シン"とはどの少年の事でしょう?」
げ、、やばい、、
っと思った瞬間、逃げ道をイルとテルが塞いでいた
2人とも表情は笑顔だが後ろに黒々しいオーラを感じた
「「「説明、ききましょうか?」」」
「は、、はひぃ」




