これからと謎の男
数分が経った。
「はあ……えぇ、起きたら転生してて? なんなら姿が別人になってるって?」
なんとか平静を取り戻した俺を今度は困惑が支配していた。
いろいろな事が頭ん中でグルグル回って答えを得ることなく流れていく。
家族のこと。
友人のこと。
学校のこと。
地球のこと。
考えれば考えるほど不安だけが膨らんでいく。
いくら考えてもただ疲れるだけなのに脳は思考をやめてくれない。
「どうすればいいんだよ……」
俺は誰に言うでもなくただ声を漏らした。
返事をしてくれる人間なんてこの平原にはいない。
広がる草の波は、俺の孤独をさらに突きつけてくる。
耐えられなくなった俺は、その場にドサッと倒れ込んだ。
背中に柔らかな草の感触が広がる。
目に映るのは、雲一つない空の青さだった。
どこまでも広がる空の広大さが、逆に胸を締めつける。
「はは……広すぎだろ……」
笑いも出なかった。
太陽の眩しさが俺の目を刺してくる。
思わず目を細めた。
それでも空を見上げ続けた。
どうしようもないから。
「この世界って人がいるのかな……」
呟きは風に混ざって消えていった。
「いたとしたら……同じ転生者も存在するのかな」
自分の声がやけに頼りなく響いた。
空の壮大さが、朧げな不安を刺激する。
取り残された感覚が胸を締めつける。
「……日向ぼっこなんて、小学生の時ぶりだなー」
強がりのように言葉を吐き出す。
孤独を隠すために。
まぶしい光から逃げるように俺はそっと目を閉じた。
瞼の裏は暗闇。
けれど、心は安らぐことはなかった。
しばらくしてから俺は体を起こした。
「どっかで遭難初期はパワフルに動ける貴重な時間って聞いた…別に遭難じゃないけどさ。」
街や都市を探すためにしばらく歩いた。
本当に綺麗だ、こんな状況じゃなかったら、家族や友達とピクニックでもしたいような本当に綺麗な場所。
沢山の草が太陽の光を反射して白緑色に輝いている。
空は雲ひとつない晴天。
それからどれくらい経ったのか、体感1時間弱は歩いてる気がする。
「もしかしてここら辺に人が住んでない?」
そんないやな予感がふっと頭によぎる。
「こんなに空が綺麗だと暑くなってくるな」
空を仰ごうと上を見た時《《何か》》が上から降ってきていた。
「へ?」
空から落ちてきた何かは減速することなく、一直線に俺に向かって落ちて直撃する。
豪快な音が大地に響き渡った。




