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早く週末来ねーかな

「誠に申し訳ございませんでした」

「要件は分かりました。ひとまず次回の品質会議で御社の処分が決定するので、今日の所はお引き取りください。」


深々と頭を下げるおれとは裏腹に、頭を下げた相手は丁寧に口調ではあるものの反応は冷たく、半ば強引に追い返されてしまう。


無理もない。

散々納期を引き伸ばされておいて、やっと手に入った部品が不良品だったなら怒りたくもなる。

むしろ先方は怒らずよく我慢してくれたなと思う。もう仕入れ先として見放されたという見方の方が正しいかもしれないが…。


「とりあえず返品になったこの不良部品、今日の社内会議で持ち上げるか…」


おれは去年まで工場で電子部品の製造をしていたが、昨今の不況により営業部へと異動になった。

やる気も溢れているわけではなく、結果の出なかったおれは上司と同行の末、やっと大型の契約を取って来ることが出来た。


これでしばらくは肩身の狭い思いをしなくてすむだろうと思っていたが、先方からの納期の期限は工場にNGをくらい、また新製品開発に向けた特別仕様での製作依頼も、技術の方からはあやふやな回答しか得られなかった。

自分が営業をやって初めて分かったことだが、そりゃ売れねーわ。

営業と技術とで揉めることはどこの会社でもよくあることだが、ウチの会社の人間はみなやる気がなさすぎる。

人のこと言えた義理でもないのだが。


大型案件が取引中止になったとしてもおれのせいじゃないから直接怒られはしないだろうが、会議でこっちにも火の粉が飛んでくる可能性は十分あり得る。


こうなった経緯をうまく言い訳出来るようにしとかないと。。


しかし周りの環境がおれにここまでやる気をなくさせるなんてすげーな。

新卒の頃はこんなはずじゃなかったはずなのに…

自分のやる気のなさにむしろ感心さえ抱いていた。


「会議までまだ時間あるから帰る前にゲーセンにでも行くか。」


おれは箱に入った不良品の中身も見ずに鞄の中に閉まった。

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