第一章用語解説
第一章に登場する呪文や固有名詞の解説です。備忘録としてご利用ください。基本的に第一章で描写された内容のまとめなので、第二章以降のネタバレはありません。
■人物・団体・種族
【セシリア・アステリオン】
アステリア王国の王女(厳密には王の孫)で、王位継承順位第一位。
王位継承のルールに従った呼び名は「第四王太子」
王族然とした言動をしているが、できたばかりの友達のために無茶なワガママを言うほどに優しい性格。
第二王太子の娘で、両親の死後に国王の意向で王族に迎えられた。
長子継承に従った結果、他の王族を差し置いて継承順位の第一位となり、そのせいで命を狙われているとされる。
【シルヴィ】
蜥蜴族諸王国の天鱗国の国王ジアペルタの娘。
一族の通過儀礼という名目でアステリア王国に預けられた。
「蜥蜴族に恨みを抱く人間に危害を加えさせ、それを口実に和平を破壊する」という策略に利用されている疑いがあり、事実上の軟禁状態にあった。
ユーリが出した対案のおかげで制限付きながら外出できるようになり、そのためユーリのことを強く慕っている。
普段は尻尾が生えている点と力が強い点以外は人間と変わらないが、ドラゴンのような翼と角を生やした姿になることもできる。
【アルギリス】
アスプロ市の外交折衝担当官。職務第一の仕事人間。
真面目で堅物に見えるが、優れた対案を即座に受け入れる柔軟性を持つ。
異国の技術で作られた写真機の操作方法を習得している。
【ディアマンテス】
アスプロ市の警備部門担当。シルヴィの滞在場所の護衛責任者も務める。
【マリアエレナ】
フィオナの友人の魔法師。人間嫌いで特に男が苦手。
子供は対象外らしく、セシリアに魔法について教えている。
「マリアエレナ」で一つの名前。フィオナは「マリナ」と縮めて呼ぶ。
アステリア王国ではなく外国の出身。
元の国の神から呪いを受けていて、他国に逃れたことが裏切りとみなされ、夜になると異形の怪物になる身体にされてしまった。
ユーリの呪文で変身を打ち消せると判明し、以降はユーリにべったり。
【第一王太子】
国王の長男。二十年前に戦死。子供はなかった。
【第二王太子】
国王の次男。シルヴィの父親。
十七年前に大恋愛の末に出奔。三年前に流行り病で妻ともども死亡した。
【第三王太子】
国王の三男。少し前まで王位継承順位の第一位だった。
第二王太子の娘であるシルヴィが王族に迎えられたことで、継承順位の変動が起きて第二位になった。このことからシルヴィの命を狙っているとされる。
【グラウコス】
第三王太子の息子。体格に恵まれやすい王族の男らしい肉体の持ち主。
徹底した実力主義者であり、自身が王族で最強と認める父親を王に推す。
反第四王太子派の筆頭。
【アルテミシア】
女大領主。王弟ゼノビオスの妻にしてフィオナの母。
娘であるフィオナとは徹底的なまでに反りが合わない。
身勝手な性格で、お気に入りの時計塔を破壊したユーリに理不尽な怒りを抱く。
■地名
【エクスマキナ議会国】
アステリア王国の北方の隣国。現在休戦中。
【ミトラス法国】
アステリア王国の北東の隣国。現在休戦中。
【ワルフラーン大王国】
アステリア王国の南東の隣国。戦争を継続中。
【パリエース高山地帯】
エクスマキナ議会国の西部に広がる山岳地帯。
雲海蜘蛛の生息地でもある。
■アイテム
【輝光石】
アステリア王国の隣国で採掘される特殊な鉱石。
白いLEDのような光を放ち、照明器具として用いられる。
【三等貢献褒章】
雲海蜘蛛討伐の功績を称えて与えられた勲章。
メダルと一緒に金一封も貰える。
■動植物
【雲海蜘蛛】
高山に生息する超大型の蜘蛛。第二級危険生物。
糸の代わりに水属性の魔力行使で霧や雲を発生させる。
本来は隣国の生物だが、どういうわけかアスプロ市に出現した。
■魔法
【光の如く】 属性:光
sicut(~のように)+lux(光)
光速移動呪文。タイムラグなしで一瞬のうちに移動できる。
「移動先を目視していなければならない」「経路上の障害物を無視できない」「唱えた者しか移動させられない」という欠点もある。
【光よ】 属性:光
【二重の光よ】
lumina(光よ)、duo(2)+lumina(光よ)
光球を生み出す呪文。光源の確保から目眩ましまで用途は広い。
呪文に追加の単語を添えることで、一度に複数生成できる。
【輝ける拘束の鎖:三重展開】 属性:光
【輝ける拘束の鎖:七重展開】
tres(3)+splendens(輝く)+vinculum(縛るもの)
septem(7)+splendens(輝く)+vinculum(縛るもの)
輝ける拘束の鎖の派生呪文。
指定した本数の光鎖を一度の詠唱でまとめて生成する。
【光輝によりて消え果てよ】
splendens(輝く)+damnatio(非難、有罪判決、天罰、裁き)
浴びたものをガラスに変える光を放つ。
本来は人間には習得できず、女神に呪われた者だけが使える神域の呪文。
発動するためには、魔法陣を描いて以下の詠唱を行う必要がある。
魔力の陣よ
其は女神の憤怒なり
其は女神の涙なり
我は神罰を執行する者
■その他
【神の呪い】
神々の手駒として力を与えられる一方的契約。
それに従う限り特にデメリットはなく、上手くいけば見返りも得られる。
ただし、神を裏切れば破滅を迎え、人間として生きていけなくなる。
マリアエレナの場合、これによって夜ごとに異形に変身するようになった。




