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第15話 迎撃準備

『あ』


「ん?」


 歩いているスタンリーの耳元で、エディが声を上げた。


『敵機が動いたようですね』


「……え?」


 スタンリーは眉をひそめ、前を歩く二人から少し距離を取った。


「なんで分かるんだ?」


『基地内の通信を確認しています』


「……エディ」


 声を落とす。


『何でしょうか?』


「正式に共有された情報を聞いてるんだよな? まさか、侵入してないよな?」


『情報取得に必要な範囲です』


「答えになってないぞ」


『およよ』


「誤魔化すな」


 スタンリーは額を押さえた。


「研究所には伝わってるのか?」


『はい。博士から通信が入っています』


「なんて?」


『「データじゃ! 出せ! 今すぐ出せ!」と』


「……」


『ルディさんが止めています』


「……」


『現在も止めています』


「分かった。もういい」


 その時、前を歩いていたエリアスが足を止めた。端末に入った連絡を聞き、短く応じる。


「……了解」


 通信を切った時には、表情が変わっていた。


「敵機が接近している。シェパード大尉、小隊を率いて迎撃準備」


「了解」


 シェパードはすぐに端末を操作し、部隊へ連絡を入れ始めた。エリアスはスタンリーへ向き直る。


「到着したばかりだが、どうする? 出るか?」


 スタンリーは少し考えた。戦況を聞いていたところへ、さっそく実戦の話が来た。


「まずは同行させていただきます。正規軍がどう戦うのかも、見ておきたいので」


「分かった。こちらの動きは随時伝える」


「お願いします。ただ、俺は発進まで少し時間がかかります。搭乗後の準備があるので」


「ああ。なら、準備ができてから来ればいい」


「後ほど追いかけます」


 部隊への連絡を終えたシェパードが顔を上げた。


「追いつけるんですか?」


「たぶん」


「たぶん?」


「《誉》なら」


「……では、先に行っています」


「お願いします」


 シェパードが格納庫へ急ぐ。スタンリーもエリアスに一礼し、専用格納庫へ向かった。


『スタンリー』


「なんだ?」


『博士から追加通信です』


「聞きたくない」


『「絶対に高機動を使え」と』


「聞きたくないって言っただろ!」


『ルディさんが通信を切りました』


「助かった……」

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