歪んだ分娩室の産声
カシャッ——
夏の晴れ空が広がり、太陽の光が降り注ぐ中、田舎道は黄金色に染まっていた。蝉の声が鼓膜を震わせ、風は草を優しく撫でる。空は水彩画のように淡い青で、大きな白い雲が浮かんでいた。
私は小学生で、友人とカブト虫取りに出かけている。秘密の場所があると聞いて、駄菓子屋でアイスを買い、ワクワクしながら自転車を漕いだ。真夏の道を進み、目的のクヌギの木に到着した。
その裏には、たっぷりの樹液が滴るクヌギの木があった。友人を押しのけて一目散に木の裏へ駆け寄り、グルッと顔をよじらせて見ると、
「えっ!!!!」
驚きの声が口から漏れた。
そこに立っていたのは、あの男だった。
不気味に微笑み、鼻息荒く、ギョッと見開いた血走った目で私を見下ろした。
そして顔がカッと硬直し、握りしめた包丁を高々と振りかざした。
その瞬間、空気は凍りつき、死の予感が全身を包んだ。
「あぁぁぁあぁぁ!」
胸に包丁が突き刺さり、裂かれた肉の中から勢いよく血がぴゅーーっと吹き出した。
「たすけて…たすけて…たすけて…たすけて」
声にならない声が頭の中で反響していた。もう声も聞こえなくなり、絶命するかという寸前、
カシャッ——その音がまた聞こえた。
意識が遠のく中、次に目覚めた時、私は病院にいた...。
だが、そこは普通の病院ではなかった。ザーザーと、古いテレビのノイズ音が頭に響き、視界が歪んでいた。待合室が異常に歪んで見えた。
「おぎゃぁぁ」——突然、赤ん坊の泣き声のようなものが聞こえた。
「赤ん坊...?どこかにいる?」と辺りを見回したが、何も見えなかった。
病院内は薄暗く、照明が点滅する異常な空間だった。現実と悪夢の境界が曖昧になる中、私は分娩室へと引き寄せられるように足を踏み入れた。
薄暗い分娩室では、女が産みの苦しみに耐えていた。彼女の顔は真っ黒で、まるで影が具現化したかのようだった。助産師は必死に彼女に声をかけている。
「おぎゃぁぁ!おぎゃぁぁ!おぎゃぁぁ!」
暗闇の中、赤ん坊の産声が恐ろしく響いた。
私は悪夢に引きづられるようにその顔を確認しようと近づいた。
しかし、助産師だと思っていたのは、あの男だった。
「あぁぁ!」恐怖に震えながら私は叫び、へたり込んだ。
男はスクッと立ち上がり、眉一つ動かさず躊躇なく包丁を女の腹目掛けて何度も突き刺した。
「じゅっ!じゅっ!じゅっ!」
肉を切り裂き、腹を抉る生々しい音が響いた。
「あぁぁぁぁぁぁ!!!もうやめてぇぇぇぇぇ!!!」
女の悲鳴が響き渡り、血の匂いが空気を満たした。男は女を何度も刺し裂いた後、おぎゃぁぁと泣く赤ん坊を狙って再び包丁を振りかざした。
「やめてくれぇぇぇ!!!」私は絶叫した。
その時、カシャッ——その音が再び頭の中で響いた。恐怖と混沌が渦巻く中、意識がまた遠のいた。
気がつくと、私は再びあの場所に戻っていた。だが、もうすべてが恐ろしい幻にしか見えなかった...




