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日
「紙を、貰えますか?それから、ペンをお借りしても?」
「え、あ、はい。どうぞ」
「ありがとうございます」
天使候補はさらさらと、文章を書き出す。
『5月1日、日曜日だった昨日は1日休日を取り、日本武道館へライブを観に行った。日中の日向は汗がにじむような陽気だったが、日が暮れると涼しくなったので、帰りがけに日暮里で寄り道して、気になっていた日向夏のスイーツを食べた。この充実した休日を糧に今日明日明後日、三日間の催事も日々精進して、来月一日の受付開始後に契約へと繋がるよう、頑張ろうと思う。春日 日々』
「これを一音も間違わずに読めたので、殺されました」
「ええ?」
驚く面接官に、天使候補は苦笑を見せる。
「スパイの疑いを掛けられていて、違うことを証明したいなら読めって言われて、読んだら、お前がスパイだって。冤罪なんですけどね。全問正解が不正解なんて、そんなの予想つくかっての」
「ちなみに、正解は?」
一息吐いてから、天使候補は口を開いた。
「5月1日、日曜日だった昨日は1日休日を取り、日本武道館へライブを観に行った。日中の日向は汗がにじむような陽気だったが、日が暮れると涼しくなったので、帰りがけに日暮里で寄り道して、気になっていた日向夏のスイーツを食べた。この充実した休日を糧に今日明日明後日、3日間の催事も日々精進して、来月1日の受付開始後に契約へと繋がるよう、頑張ろうと思う。春日 日々」
「うん。いや。ところどころ二択だし、人名は予測すら出来なかったわ」
「知り合いだったので」
「その子が、スパイだったんですかね?」
「さあ。どうでしょうね」
m(__)m




