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はしのひ
「死因を教えて頂けますか?」
「はい。はしのはしにはしが落ちていて」
「はしのはしにはしが」
「ええ」
頷いて、天使候補は続ける。
「はしのはしに落ちているはしなんて気持ち悪いので、近付かずに通り過ぎようと思ったんですが」
「まあ、はしは拾おうと思わないですね」
「ですよね。で、通り過ぎかけたところで、後ろから怒鳴られて」
その時のことを思い出したのか、天使候補が顔をしかめる。
「『落ちているものを無視するのか』って、小汚いジジイ……いえ、無為にお歳を重ねられて来たらしいご老体が言って来たので、『でしたらご自分で拾われてはいかがですか』とお伝えして、立ち去ろうとしました」
「……言い掛かり付けて絡もうとしている感じですものね」
天使候補は肩をすくめて頷く。
「それで立ち去ろうとしたら、そのゴミがはしを掴んで襲って来て、こちらとしては触りたくもないので、蹴り飛ばしてはしから突き落としたのですが」
「突然のアグレッシブ」
「仲間がいたらしくて襲われて、はしのはしに頭をぶつけて死にました。思えば最初から、襲って金品でも奪う腹積もりだったんでしょうね」
m(__)m
はし見分け検定試験




