社会に必要な事
「はい、それでは2日目を行っていきます。
ちなみに昨日の話し合いで出した宿題については明日にユキ君の『いじめは誰のせいなのか?』、一日空けてナカさんの『あの時どうすればよかったのか?』、さらに一日空けてノブさんの『価値観を変えるために必要な事は何か?』について発表して貰います。
真剣に考えてみてくださいね。
別に正解がある訳じゃないですから気楽に考えて下さい。ただ、皆さんに私が求めるのは『共感ができる答えを作る』事です。
適当にそれっぽい事を考えるだけなら誰にでもできます。それっぽい質問をして仕事しましたみたいな顔してる政治家と何ら変わりません。
私の求めるのは高いレベルで聞いた人の心を動かすあるいは納得させるようなスピーチなんです。
初めからできる事ではありません。
私もできているのかと聞かれたら、『まだまだ全然ダメだ』と答えます。正解のない問題に対して『そろそろできてきたかな?』なんて段階はありません。
あるのは『今以上に』、『もっとわかりやすく』、『大衆に認められるか』を追求し続ける事なんです。
一度考えた答えを自分で疑って、自分に色んな角度から質問してみて下さい。『想定問答』というやつです。
それに対して答えられなかったり、言ってて違うかなと思ったらまた考え直しですね。」
引田が言い、ナカが
「それでは今日は何をするんですか?」
「身体を動かしましょう!
ひきこもりにマッチョな人っていますか?
基本的には運動不足の人が多いです。
あとは社会に必要な事を学んでいきましょう。」
「運動って何をするんですか?」
ユキが聞くと引田はどこからともなく竹刀を取り出してきた。そしてナカとノブの方を見て
「剣道のご経験は?」
「学校の体育の授業で少しくらい?」
「私も同じようなものです。」
ノブは記憶を辿りながら言い、ナカは同調した。
「なるほど、まぁそんなもんです。
別に私も習ってた訳じゃないですからね。
それでは型を教えていきますね。
型に沿って素振りから行きましょう。」
引田の教えた型を使っての素振りを一時間くらいしてから道場の中を走ったり、筋トレをしたりとけっこうハードに運動をし終えると開始から3時間くらいが経っていた。引田が
「それではここからは挨拶の練習をしましょう。
出会い頭の挨拶「おはよう』、『こんにちは』、『さようなら』。慣れてきたら言うのもめんどくさくなったり恥ずかしくなったりと言わなくなってしまいます。
挨拶されないのと元気に挨拶されるなら元気に挨拶された方が良いに決まってます。
相手がどうとかでもないですしね。
『挨拶もできない自分がいる』という事実が一番厄介なんです。挨拶は人との関係の入り口であり出口です。
入り口でつまずくと上手くいかない事から始まってしまうわけです。上手に挨拶を決めてよいスタートを切りましょう。
じゃあ、まずはペアでお互いに言い合う所からやりましょう。最初のペアはノブさんとユキ君、ナカさんは私とやりましょう。10分毎に指示を出しますのでとりあえず指示があるまでは交互に言い合いましょう。
それでは、始めていきます。」
その後、ひたすら挨拶の練習をしてこの日の集まりは終わった。




