第十三話「新たな日常」
お読みいただきありがとうございます!
リリアが助手になって、二週間が経ちました。
エドガーとリリアの、新しい日常が始まっています。
今回は、二人の日常業務を描きます。
村での評判、小さな依頼、そして——
次の事件への予兆も。
第十三話「新たな日常」、どうぞお楽しみください。
朝、リリアがいつものようにクロウ家を訪ねてきた。
「おはようございます、エドガー様」
「おはようございます、リリア」
彼女は、すっかりこの家に馴染んでいる。
セバスチャンも、リリアを家族のように迎えている。
「リリア様、朝食はいかがですか?」
「ありがとうございます、セバスチャン。いただきます」
三人で、朝食を取る。
パン、卵、野菜のスープ——
リリアは、美味しそうに食べている。
「今日の予定は?」
俺は尋ねる。
「村の巡回です。何か事件がないか、確認します」
「分かりました」
食事の後、俺たちは村へ向かった。
*
村の広場。
いつものように、村人たちが仕事をしている。
トマスは、パンを焼いている。
鍛冶屋は、金槌を振るっている。
雑貨屋のマーサは、店先で商品を並べている——
その隣で、エマが手伝っている。
以前、盗みをした旅人だ。
今は、マーサの店で真面目に働いている。
「エマさん、元気そうですね」
リリアが声をかける。
「リリア様! はい、おかげさまで」
エマは、明るい笑顔だ。
「マーサさんが、とても良くしてくださって」
「それは良かったです」
俺たちは、村を歩き続ける。
特に、大きな問題はない。
平和な朝だ。
*
午後、バーナード隊長が訪ねてきた。
「エドガー殿、リリア様、少しよろしいですか」
「はい、どうぞ」
バーナード隊長は、書類を取り出す。
「実は、最近小さな窃盗が増えています」
「窃盗?」
「はい。村のあちこちで、物が無くなる事件が」
バーナード隊長は、リストを見せる。
『鍛冶屋:工具が一つ紛失』
『農家:干し草が少し減っている』
『パン屋:パンが二つ無くなった』
俺は、リストを見る。
小さな窃盗——だが、複数ある。
「いつからですか?」
「三日ほど前からです」
「被害額は?」
「大きくありません。ですが、村人たちが不安がっています」
リリアが、ノートに記録している。
「パターンは?」
俺は尋ねる。
「夜間に発生しています」
「窓や扉は?」
「施錠されていた場所もあれば、されていなかった場所もあります」
「目撃者は?」
「いません」
俺は、リリアを見る。
彼女も、真剣な顔をしている。
「分かりました。調査します」
「お願いします」
*
バーナード隊長が帰った後、リリアが言う。
「エドガー様、以前の連続盗難事件と似ていますね」
「ええ。ですが、規模が小さい」
「そして、盗まれる物も——工具、干し草、パン——」
「統一性がありませんね」
リリアが、ノートを見る。
「もしかして、複数の犯人?」
「可能性はあります」
俺は、窓の外を見る。
村は、平和に見える。
だが、その裏で——
「明日から、夜間の見回りをしましょう」
「はい!」
*
翌日の夜。
俺とリリアは、村を見回っていた。
月明かりだけが、道を照らしている。
「静かですね」
リリアが囁く。
「ええ。ですが、油断しないように」
俺たちは、鍛冶屋、農家、パン屋——被害があった場所を重点的に見回る。
だが、特に何も——
その時、農家の裏手で、物音がした。
俺は、リリアに合図する。
静かに、近づく——
そこに、小さな人影。
子供——?
いや、違う。
小柄な、大人だ。
俺は、声をかける。
「誰だ?」
人影が、驚いて振り返る。
そして、走り出す——
「待て!」
俺たちは、追いかける。
だが、相手は素早い。
路地を駆け抜け、森の方へ——
やがて、見失ってしまった。
「くっ——」
リリアが、息を切らしている。
「大丈夫ですか、リリア」
「はい……すみません、追いつけませんでした」
「いえ、仕方ありません」
俺は、さっきの場所へ戻る。
農家の裏手——
地面に、小さな足跡。
そして、落ちている物——
布の切れ端。
俺は、それを拾う。
古い布。破れている——
「これは?」
リリアが尋ねる。
「犯人の物かもしれません」
俺は、布を観察する。
汚れている。そして、独特の臭い——
この臭いは——
「森の臭いですね」
リリアが言う。
「ええ。犯人は、森に住んでいるのかもしれません」
俺たちは、証拠を持って家に戻った。
*
翌朝、バーナード隊長に報告する。
「犯人を目撃しました。小柄な人物です」
「森の方へ逃げました」
「森に——」
バーナード隊長は、考え込む。
「森には、古い小屋がいくつかあります」
「そこに、隠れているのかもしれません」
「調査しましょう」
俺は頷く。
リリアも、ノートに記録している。
『犯人:小柄、素早い、森へ逃走』
『証拠:布の切れ端、森の臭い』
『次の行動:森の調査』
セバスチャンが、昼食の準備ができたと呼びに来た。
「若様、リリア様、お食事の時間です」
「ありがとう、セバスチャン」
俺たちは、食堂へ向かった。
お読みいただき、ありがとうございました!
第十三話、リリアとの新しい日常でした。
そして、新たな窃盗事件の予兆——
小さな窃盗事件が、複数発生しています。
犯人は誰? 森に何がある?
次回から、この事件の調査が本格化します!
引き続き、お楽しみください!
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次回もお楽しみに!




