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冒険者ギルドで死亡扱いされた私が、神と邪神に愛され最強で最高のダークヒロインになる。  作者: 黒木菫
幻教操国編

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第95話 天災

「しまったあああ!バイトの時間に焦って衣装の端が焦げちゃったじゃないの!」


全てを消し去った荒野でスカーレットは焦げたメイドの服の心配をしていた。


「お前な……いきなりやりやがって。私の知ってるやつがいたらどうする気だったんだよ。」


クロが文句をいう。


「一応、全部解析したけど、私の知ってる人はいなかったわよ。」


スカーレットは全てが消えた地平線を見ながらいう。


全てを消し去ったあと、残存エネルギーすらも異空間にとばしてしまったので、文字通り荒野となった。


草も木も全てが消え去った。


「でも、これで終わりじゃないわよ。」


スカーレットとクロは荒野に降り立った。


「どういうことだ?」


クロがスカーレットに聞く。


「私にこれをさせたやつに落とし前をつけてもらわないと。」


「誰だそれは?」


「知らないけど、たぶん一番得をするやつよ。」


「とすると、コウロとかいうやつか。」


「たぶんね。ただ、喧嘩両成敗にさせてもらうわ。原因はどうでもいいわ。まとめて燃やすから。 」


スカーレットはそういうと、再び空中高く舞い上がり、コウロの領地に向かって飛び去った。


「じゃあ、私は帰るか。」


クロもそういうと、再びオアシスに向かって飛翔した。



コウロの屋敷の上空につくと、スカーレットは全身を炎で包み、その炎を火の鳥の姿へと変えていった。


翼を広げるたびに、空気が燃えた。


コウロは屋敷の窓から空を見上げた。


火の鳥がいた。


太陽のように輝き、その翼が一振りするごとに炎の球が降り注いだ。


「な、なんだあれは!?」


「逃げろ!」


兵士たちが逃げ惑う。


しかし、炎は逃げる者も、留まる者も、等しく焼いた。


何重にも張られていた魔法の結界が、まるで紙のように燃え尽きた。


一瞬だった。


「魔術師部隊、反撃——」


隊長の声が途切れた。


炎の球が、その場所ごと消し飛ばしたからだ。


(なんだ、なんだあれは!?なんなのだ!?)


コウロは動けなかった。


足が震えていた。


逃げなければならない。


しかし、体が言うことを聞かなかった。


これは戦いではない。


天災だ。


嵐でも、洪水でも、地震でもない。


ただ、燃やす意志を持った天災が、そこにいた。


すぐに理解した。


あれが噂に聞く朱雀竜だ、と。


(オアシスでの何らかの悪事が朱雀竜の怒りを買ったに違いない。)


そう思うしかなかった。


神の前では人間が神の意思を察して、祈り、捧げるしかないのだ。


たとえそれが的はずれなものだとしても。


しかしこれも、スカーレットにとっては警告程度のものだった。


その気になれば、コウロなど領地ごと消してしまえるのだ。


(このくらいにしといてやるか。)


(じゃあ、次は喧嘩両成敗ということで。)


コウロが「もうだめだ!」と観念したその瞬間、スカーレットはすでに王都の上空にいた。



アビの陣営——


「あ、やばい。」


行軍中にアビの馬の後ろに乗るアオが急につぶやいた。


「何がやばいの?」


「キョウが殺される。」


「は?!」


アビが質問するより早く、アオはスカーレットを止めるため空間を転移した。



王宮上空に火の鳥が現れるのを、王都の人間はみな目撃した。


スカーレットは瞬時に王宮の人間を解析する。


(もっとも魔力が高いもの——そいつが怪しい。)


(怪しきは罰する。)


そのとき王宮にいたのはチュウエイ、それに妲姫だった。


(なぜ王宮に悪魔がいるのか。まあいい。)


スカーレットからみれば妲姫もただの人間も大した違いはなかった。


念のためこいつらは殺しておこう。


その程度の気持ちで魔力を溜める。


王宮もろとも吹き飛ばすつもりだった。


「殿下、あぶない!」


キョウの私室にいた妲姫はスカーレットの存在に気づき、とっさにキョウを抱きしめた。


防げないのはわかっていた。


それでも、とっさにそうした。


轟音がした。


しかし、無事だった。


「妲姫……一体何が?」


キョウはわけがわからず、妲姫の顔を見る。


そして、窓の外の風景が視界に入ってきた。


いつも見慣れた山が、大きく消し飛んでいた。


城の一角も崩れていた。


その崩れた一角から、メイド姿の女性がゆっくりと立ち上がり、上空へと浮かんでいく。


「なんなのあれ?」


「朱雀竜様だ。」


キョウの問いに妲姫が答える。


「え?あれが!?でもなんで朱雀竜様が城を?」


「わからん。」


妲姫もそういうしかなかった。


その朱雀竜の前に、どこからともなくもう一人の人影が現れた。


アオだった。


二人は短く何かを言い合い——次の瞬間、二人とも上空から消えていた。


「なんだったの?今の?」


「さあ?」


妲姫とキョウは二人が消えた空をしばらく見上げていた。


王都の民も、崩れた城壁も、消し飛んだ山も、全てがそこにあった。


しかし、何が起きたのかを正確に理解できた者は、この場には一人もいなかった。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!


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