表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険者ギルドで死亡扱いされた私が、神と邪神に愛され最強で最高のダークヒロインになる。  作者: 黒木菫
幻教操国編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/99

第69話 魔族商人との再会

(ついてないな)


王都の商人、ジークは内心、舌打ちをした。


全長四十メートル。さっきアビたちが仕留めたやつより、一回りは大きい。


七本の首が、四方八方に向いている。


(だれかが意図的に集めたな、これは。)


「ジークさん!どうする!?」


傭兵の一人が怒鳴る。


「どうするも何も、やるしかないだろ。」


ジークは短く答えた。


「囮になれるやつは首に張り付け!胴体には近づくな、踏み潰されるぞ!」


「おう!」


傭兵たちが散開する。


ヒュドラの首が一本、二本と傭兵を追う。


その隙に、ジークは懐から三日月刀を抜いた。


(こういうのは人間の姿でやるもんじゃない。)


覚悟を決める。


肌が白くなる。白目が黒く染まる。瞳が、金色に変わる。


魔族本来の姿だ。


「ジークさん!その姿は!?」


傭兵たちが思わず叫ぶ。


「うるさい、今は戦え!」


ジークは叫びながら、ヒュドラの胴体に向かって跳んだ。


三日月刀が鱗をえぐる。分厚い。人間の剣ではまともなダメージにならないはずだ。しかし魔族の膂力を乗せれば話が違う。


「フッ!」


傷口に魔力弾を叩き込む。ヒュドラが絶叫した。


「ジークさんはジークさんだろうが!」


「そうよ!敵はこの化け物大蛇よ!」


傭兵たちが声をあげ、ジークの背中を守るように散らばる。


(バカどもめ。)


嬉しそうに笑いながら、ジークは次の首に向かった。


しかし、数が多い。七本の首が縦横無尽に動き回り、炎を吐き、牙で地面を抉る。一本に集中すれば別の首が傭兵を狙う。


(きりがない。)


ヒュドラのしっぽが薙ぎ払った。


傭兵たちが石ころのように吹っ飛ぶ。


「お前ら!」


ジークが叫んだ瞬間、首の一本がこちらを向いた。


大きく息を吸い込んでいる。


(炎か。)


自分は耐えられる。だが、後ろで震えている女たちは違う。


(私は無事でも、こいつらは助からん!)


その瞬間。


雷撃の魔力を帯びた矢が、ヒュドラの首に突き刺さった。


続けて、轟音。


ズガァアア!!


空気を引き裂く雷鳴がとどろき、落雷がヒュドラを直撃する。電流が全身を駆け巡り、七本の首が同時にのけぞった。肉体が、内側から砕けていく。


断末魔が草原を揺らした。


(なんだ、何者だ!?)


ジークは上空を警戒した。


しかし、この魔力——どこかで感じたことがある。


「あら、ジークじゃない。久しぶり!」


能天気な声が頭上から聞こえた。


背の高い、美しいボディラインをした赤みがかった黒髪の美女が降り立つ。


(何者だ?)


もう一人は青みがかった髪をした美女。この霊力は、世界に一人しかいない。


「アオ様……ということは。お前、アビか!」


ジークは見違えたアビの魔力と姿に、思わず見とれた。


「こいつ、まだ生きてるのか!?」


アビがヒュドラの残骸を見る。


まだ再生しようとしている。


「気をつけろ、アビ!」


ジークが叫ぶと同時に、ダークエルフの戦士がヒュドラをさらに切り刻んだ。


首が飛ぶ。再生が追いつかない。薙刀が止まらない。


三撃、四撃、五撃——


残骸が、動かなくなった。


「おつかれ、ビゼン。」


そういうと、アビの背丈が縮んだ。ジークの知っている姿に戻る。服がだぶだぶになる。


「プ。なんだそれ。体が縮むのか。」


ジークは思わず吹き出した。


「うっさいわね。こういうスキルなのよ。おかげで服がない。」


「そうか、なら今回の礼を兼ねていいものがある。まずはみんなの無事を確かめないとな。」


ジークはそういうと、仲間の安否確認に向かった。



ジークの登場シーンは28話です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ