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冒険者ギルドで死亡扱いされた私が、神と邪神に愛され最強で最高のダークヒロインになる。  作者: 黒木菫
正義愛鬱編

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255/263

第255話 天災

ドドドドド


何かすごい音とともに、ワタシは目を覚ました。


どこかのベッドに寝かされていた。


全身が痛い。


回復魔法は効いてないのか。


「あー、目をさましたね」


クロが窓際に立っていた。


窓の外に目をやると、外はもう吹雪になっている。


まったく状況がつかめない。


「えっと、ワタシはハクのやつに掴まれて、アオめがけて振り下ろされた気がするんだけど……」


そういえば、アオもハクもいない。


「うん、それだよ」


クロは、困ったような顔をした。


「アオは君をまもって、負傷した」


「え?」


あのアオが?


「攻撃を防ごうとすると、君の体がバラバラになるかもしれない。よけたら、君の体が地面に叩きつけられる。だから、アオは自分の身体をクッションにして、君を守った。それでも、君の後頭部がアオの頭にぶち当たって、両者頭蓋骨陥没の大怪我。さらに全身打撲に骨折」


「それで、アオは!?」


「まあ、自分のケガは一瞬で復元した」


「復元したんかい!」


「キレた彼女は、そのままハクの上半身にむかって魔力をはなった。ハクは君との戦いを想定していたので防御できず、上半身は消し飛んで、さらには背後の城と、地平線まで消し飛んだ」


「アオがハクを殺したの?」


「なわけない。すぐさま復元して、城と国土を消されたハクも怒って、そのまま二人は喧嘩してる。その余波がこれ」


クロが窓の外を指さす。


猛吹雪だ。


これが余波?


「私も結界を張ってるんだけど、君を治療しながら、あの二人を抑えるのもつらいからね」


クロが、ワタシの頭にそっと手をのせた。


「なんとか治ったみたいだね。脳みそまでチラリと見えてたから、ヤバかったんだよ。アオも石頭だよな」


まじか。


ワタシは思わず、自分の頭をさわった。


傷もない。


「傷が脳にいってたら、死んでたかもね。全身の骨もかなりいってたけど、大丈夫みたいだね」


「あ、ありがと。あなたが助けてくれたのね」


とりあえず、素直に礼をいう。


「まあ、君が気がついたから、もうもどってくるだろ」


そう言っていると、眼の前にアオが転移してきた。


「よかった。気がついたみたいで」


彼女はニコリと笑うが、外の吹雪はおさまっていない。


「いや、それより、これ大丈夫なの?」


ワタシは窓の外を指さした。


「まあ、気候は変わるかもしれないけど、あいつが私に先に手を出したんだから、自業自得よね」


アオがそう言っている間に、急に天気がよくなってきた。


吹雪がおさまり、外が見えてきた。


外は、ひどいことになっていた。


城と街は半壊し、大地はえぐられ、さらに地割れまで走っている。まさに大災害だ。


すると今度は、眼の前にハクが現れた。


「いやあ、久しぶりに、少しは本気のお前と戦えて楽しかったよ。武術大会とやらで、ホントは戦いたかったんだけどな」


ハクは豪快に笑った。


いや、笑い事じゃないと思うんだが。


「今度、アビに過剰に怪我させたら、この国ごと消すわよ」


アオは冷ややかに、ハクを睨みつけた。


「いや、この国も、えらいことになってんだけど」


ワタシは窓の外に目をやった。


「この程度のことで死ぬんだったら、うちの国民はやってられないぜ。一応、国民には、多分こうなるから地下に逃げてろと告知してたから、死人はないとおもうぜ。前に神竜族と闘った時は、あいつらはアオと違って、街の損害なんてまったく考えなかったからな」


アオと違って、ということは、考えてこれなのか。


「ちょっとまって、ということは、ワタシを半殺しにしたのは、アオを怒らせるため!?」


「まあ、そうだな。悪く思うな」


ハクが手をかざすと、体から痛みが引いていった。


「お、さすがクロだな。オレの不可逆の効果も、かなり除去されてるじゃねえか」


「まあ、それでも、アビが普通の人間だったら死んでたぞ」


クロも、ハクをジト目で見た。


「まあ、しかしだ。アビ、お前、もう少し強くならねえと、まじに自分の国も守れねえぞ」


ハクは腕を組んだ。


「魔王や勇者の戦いなら、オレたちは一応、手を出さないってことになってるからな。今の実力じゃあ、あのジョカエルってやつにも勝てねえぞ」


「やっぱり、彼女はすごかったの?」


ワタシは、今のジョカの強さが知りたかった。


「まあ、ペラペラしゃべると不公平になるが、今のお前よりは強いな。しかし、お前もお前で、条件を満たせばかなり強いがな」


「条件?」


「それくらい、自分で考えろ」


ハクはニヤリと笑った。


まあ、それはそうだ。


「アビのスキルは、人のスキルを借りることができるのよ。つまり、私達が許可して、あなたが使いこなせれば、私達の権能も一部利用できるのよ」


アオが答えてくれた。


そうか、アオに限らず神の力も使えるのか。


我ながらやばいな。


「お前がそうやって甘やかすから、だめなんだ」


ハクがため息をついた。


「まあまあ、わかっててできるなら苦労しないから、いいじゃない。でも、よかったよ。傷も全部消えたみたいだし。じゃあ、体も治ったことだし、私へのお礼をさっそくしてもらおうか」


そう言いながら、クロは人目も憚らず、後ろから抱きついてきた。


そこへ、ワタシのスマホが鳴った。


キョウからだ。


このあと、ワタシは彼女から、重大な決意を聞くことになった。



ここまで読んでいただき、ありがとうございます!


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