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冒険者ギルドで死亡扱いされた私が、神と邪神に愛され最強で最高のダークヒロインになる。  作者: 黒木菫
正義愛鬱編

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第228話 勇者とデモ隊

「アビ、また自称勇者があらわれました。」


ガリョウがワタシの執務室に報告にきた。


定期的に自称勇者様がワタシの討伐にやってくるのだ。


そして、みどころがあるものは倒した上でスカウトしている。


「で、今回の勇者様はどこまでたどりついた?」


ほとんどの自称勇者はモスに敗北してお帰りいただいている。


やつも凍子に鍛えられてAランクを超える実力をみにつけている。


並みの戦士では相手にすらならない。


「今は、ヨクトと戦っています。」


そういいながら、ガリョウはモニターの電源をいれる。


「アビもよく知ってる人ですよ。」


「ワタシが?」


モニターの中をみると、一人の戦士がヨクトと戦っていた。


「あれは?」


よく知った顔だ。


ホウスウだ。


アオにコテンパンにされた彼だが、ヨクトと互角に戦っている。


いや、押しているのでは?


「ヨクトがおされてますね。もっともビゼンと二人で戦えば、問題なく勝てると思いますが。」


ガリョウが冷静に分析した。


ホウスウの能力は【魔力特効】だ。


ヨクトの物理無効の防御結界【豪傑覇気】をもやすやすと斬り裂いている。


しかし、あいつのあのスキルは弱いやつには滅法つよいが、同等以上の相手にはいつも切り裂かれてるな。


防御無効とはなんなのか。


「ホウスウ!お前!なんでアビの首を取りに来たんだよ!だれかにたのまれたのか!」


ヨクトは槍をホウスウに薙ぎ払う。


ホウスウは剣でそれを受ける。


剣で槍をうけるホウスウの体術もすさまじい。


「オレは話をしに来たんだ!君たちこそなんで、アビが魔王になるなんて馬鹿なことを止めなかったんだ!」


二人の剣と槍がぶつかる


まずいな、このままだとどちらかが死にかねない。


ビゼンにも参戦させれば勝利はまちがいないが。


ホウスウも悪いやつじゃない。


というかいいやつなんだ。


「ガリョウ、あなたはホウスウをどう思う?」


ホウスウについて昔からしってるガリョウにきいた。


「アビもご存じのとおり、彼は頑固すぎるんですよ。人の世の理屈を魔族たちに語ろうとしている。だいたい、刑将にせよ、災王にせよ、あいつが私と組んで討伐していれば、この国はもっと早く統一できていましたよ。」


ガリョウはイラつきとため息交じりに言った。


その言い方に、ワタシは思わず彼女を見た。


聞いたことのない話だった。


「ビゼンとヨクトふたりで戦えば負けることはないでしょう。私も昔の馴染みですから、殺せとまではいえません。ちょっと痛い目にあって帰ってもらいましょう。」


ガリョウはしれっと物騒なことをいった。


「まあ、ワタシも彼とは知らない仲じゃないから、そこまでするつもりはないわよ。」


そういうと、ワタシはマイクに向かって話し始める。


「ヨクト、そこまでよ。とりあえずは、話を聞きに行くわ。」


「チッ」


ヨクトは舌打ちすると矛を収めた。


ホウスウも構えをとく。


ワタシは彼と話をするために、戦いの場、格闘場に向かった。


  ◇


「よくぞ来た勇者よ!ワタシはその方のような者が現れるのをまっていた!」


ワタシは魔王のコスプレ、もとい衣装に身を包んで、ノリノリでホウスウを迎えた。


ガリョウがワタシのために作ってくれたのだ。


やたらと露出がたかいが、とくに効果はない。


場を和ますためにやったのだが、ビゼンもヨクトも冷たい目で見ている。


ガリョウはうっとりしてくれているが。


「アビ、なぜこんな馬鹿なことをしたんだ!」


ホウスウがワタシにむかって吠えた。


「いや、なぜって、ちょっとギスギスした雰囲気を和ませようかと・・・」


ワタシはそう言って自分の衣装をもう一度みた。


我ながら非常にエロい。


ワタシの兵は男も女も皆が見とれていたし、ガリョウやアオにはそのままプレイしようと言われ、クロには勇者にわからせられる魔王様というプレイをしたいと言われて、ついノリで付き合ってしまったが。


「そっちじゃない!なぜ魔王なんかになったんだといってる!」


あ、そっちだったか。


「だまりなさい。」


ワタシの代わりにガリョウがピシャリと答えた。


「あなたはその気になれば、私といっしょに、あの災王も刑将もたおし、この地域を統一する勇者になることもできた。それを私の誘いを蹴り、今さら何をいっている。あなたは今までどおり、目の前の人だけ助けていればいいじゃない。」


ガリョウは腕を組み、拒絶の意思を見せた。


なるほど、ガリョウはワタシと出会う前、彼とともにこの地を統一することを提案して、彼が乗り気じゃなかったわけか。


もしそのとき二人が組んでいたら、ワタシは魔王になっていなかったかもしれない。


「アビ、君は央国から、王女をさらったと聞いた!そんなのほんとに魔王じゃないか!」


ホウスウはガリョウには答えず、吠えた。


「あのときは、ああしないと、彼女が犠牲になったからね。彼女は自分の足で先日、国に帰ったよ。」


「それでも、他に方法があったはずだ!」


(なるほど、刑将様もいってたな。)


(最終的にはホウスウは会話にならないと。)


「わかった、わかった、次回からはそうするよ。帰りなよ。」


ワタシはホウスウを置いて帰った。


うしろから、まだ話は終わっていないとか言う声も聞こえたが、相手をする義理もない。


しかし、それでおわらなかった。


  ◇


翌朝、騒音で起こされた。


「魔王はでていけ!」


「種族平等!」


そんな声が聞こえた。


となりで寝ていたガリョウとアオも目をさます。


カールがかかった金髪がくしゃくしゃだ。


ワタシは全裸のまま自分の部屋のカーテンの隙間から、その様子を眺めた。


ワタシの城のまわりに、プラカードをもったものたちが1000人ほど集まっている。


「なんじゃこりゃあ!」


思わず声が出る。


ガリョウも起きて窓の外をみた。


「おそらくホウスウの仕業ですね。デモとは舐めた真似をする。」


ガリョウはベッドの横においていた、解析用のヘルメットを装着する。


全裸にヘルメットと、なんともエロシュールな光景だ。


「ほんとに彼の仕業?」


「確証はないですが、こんな嫌がらせをするのはあいつです。」


いつも理論的なガリョウだが、ホウスウのことになると雑になるな。


「ラビット族、子鼠(ハム)族など、いわゆる弱小種族があつまって、異世界のようにデモをしてますね。」


ガリョウが全裸で解析しながらいった。


シュールすぎる。


「デモねえ。私達の安眠と楽しみを妨げるとはいい度胸ね。みんな消し飛ばそうか。」


アオがまた物騒なことをいった。


「ワタシは一応、どんなものにも抵抗する権利はあると思ってるからね。とりあえずは、相手の話を聞きに行こうか。」


ワタシは身体に浄化の魔法をかけて、髪と衣服を整えて、デモ隊の話を聞きにいくことにした。



ここまで読んでいただき、ありがとうございます!


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