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冒険者ギルドで死亡扱いされた私が、神と邪神に愛され最強で最高のダークヒロインになる。  作者: 黒木菫
正義愛鬱編

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第221話 ギャオオオオオオ!

ギャオオオオオオ!


かなり思っていたのとちがった。


モスが本来の巨牛、ベヒーモスのすがたになり、華侯姫も白い肌の悪魔族のすがたになり、一体の巨大なドラゴンと戦っていた。


全長は10メートルはある、怪獣のような翼をもたないドラゴンだ。


全身は鱗で覆われ、モスの角でも傷つかない。


「思ってたのとだいぶ違うんだけど。てっきり荒くれものが来たんだとおもってたら、こんな怪獣の戦いだとはおもってなかった。」


ワタシは横にたつガリョウにつっこんだ。


「めずらしいドラゴン族ですね。彼らはあまり魔王とか俗世のことには興味がない、高度な知能をもった生命体と言われています。」


ガリョウが解説してくれた。


「おう、出てきたな。お前が魔王さんか。」


ドラゴンは直立し、ワタシを見下ろした。


「どこを見ている貴様の相手はおれだ!」


ドラゴンに対し、モスがその巨体で横から突進した。


「遊びはこれまでだ。」


ドラゴンは息を吸い込んだかとおもうと、モスに向かって灼熱の炎を浴びせかけた。


「ぐわああああ!」


「モス!」


のたうち回るモスに対し、華侯姫が『消火』と回復の魔法をかける。


モスは上半身と下半身を切断されても死ななかったので、あれくらいでは大丈夫だとおもうが。


「ドラゴン族のブレスは自然の炎ではなく、精神体も焼きます。悪魔の華侯姫もあれをくらったらただではすまないですね。」


ガリョウが解説してくれた。


「しかし、お前が魔王さんとはなあ。」


ドラゴンがワタシを見て、何故かため息をつく。


「それはどういう意味?」


ワタシはドラゴンを見上げていう。


全身が岩のような鱗でおおわれ、見るからに強そうだ。


こいつはあの災王や刑将様よりもつよいんじゃないだろうか。


「俺は災王か、刑将のどちらかが勝利するとおもってたんだがな。その勝ったほうと戦ってやろうとおもっていたが、まさかお前のような小娘が生き残るとはな。」


それに関してはワタシも同感だが。


「なるほど、じゃあ、あんたが魔王になりたかったと?」


ワタシはドラゴンの全身を見ながら聞いた。


あのブレスをまともにくらったら、ワタシもただでは済まないだろうな。


そんなことを考えながら。


「そんなものに興味はない。ただ、この地域にも少しは骨のありそうなやつがいたからな。純粋に戦ってみたかっただけだ。それで、生き残った魔王がどんなやつか見に来たわけだが・・・・まさかお前のような小娘だったとはな。邪魔をしたな。」


そういって、ドラゴンは背を向けた。


あ、そうなんだ。


去ってくれるんだ。


ワタシがホッとしていたら。


「まて!このトカゲ!私のアビを侮辱するとは許さんぞ!」


横から声が聞こえた。


キョウだった。


「トカゲだと?」


ドラゴンの首が、ゆっくりと戻ってくる。


「そうだ!アビが本気をだせば・・・」


キョウがそう言った瞬間、ドラゴンが軽く息をすいこんだ。


やばい。


ワタシは【砂鉄盾】を展開し、彼女をかばって倒れこむ。


ワタシの背中を、ブレスが通り過ぎるのを感じた。


結界をはってなんとかしのぐ。


「アビ!」


キョウがワタシにすがりつく。


ワタシはキョウをみた。


髪が少し焦げて、火傷をしている。


彼女の身体はワタシと違って人間のそれだ。


「キョウ!」


ワタシは彼女に回復魔法をかけた。


「私は大丈夫だ。それよりお前のほうが・・・」


ワタシの後ろ髪が焼かれて、背中が焼かれたようだ。


キョウの防御を優先したので、自分の結界がおくれた。


しかし、ワタシは自分が焼かれたことよりも、彼女が傷つけられたことに、キレた。


ワタシは【限界突破(オーバードライブ)】を発動し、ドラゴンの顔面にとびかかった。


ドラゴンはワタシの攻撃など歯牙にもかけない様子で、防御する気配がない。


その顔面に、ワタシは蹴りを叩き込んだ。


その一撃にドラゴンは体勢をくずし、大地に倒れこんだ。


ワタシの一撃にはビゼンの防御無視スキル【闘神】、さらにヨクトの精神体にもダメージをあたえる【蛇矛牙(スネークバイト)】を乗せている。


さらにそのまま天から雷撃を浴びせる。


『雷神槌撃(トール・ハンマー)』


電撃に打たれて、ドラゴンが体をけいれんさせた。


「調子にのるなよお前。死んで後悔しろ。」


ワタシはもう一撃、電撃を追撃しようとした。


「まてまてまて!悪かった!魔王様!ゆるしてくれ!」


ドラゴンが悲鳴をあげた。


「だめだね。お前は死ね。」


ゴブオとテルを思い出した。


こういうやつは殺さないといけない。


脳に直接、電撃を叩き込んでやる。


そうおもったとき。


「まて、アビ!」


凍子がビゼンとヨクトをつれてやってきた。


二人はボロボロになっているが・・・


「こいつはなかなか見どころがある。私が鍛えなおしてやる。おいお前、名前はなんというんだ。」


「お前こそなんだ、小娘。」


ドラゴンが質問を質問で返した。


その瞬間、なにもない空間から氷の刃があらわれ、ドラゴンのしっぽを切断した。


「ぎゃあああああ!」


ドラゴンは悲鳴をあげる。


「質問してるのは私だ。私は凍子だ。これで満足か。」


「と、凍子・・・あなた様が、あの凍子様!?」


ドラゴンの眼が恐怖でひきつる。


「オレは、いや、私は魏炎(ギエン)というものです!まさか魔王様がこれほどまでつよく、凍子様までお友達とは知りませんでした!」


凍子の前に、ドラゴンの威厳も消し飛ぶ。


「アビ、こいつは私があずかる。もちろんお前の家来にしてもいい。いいね。」


凍子に言われては、ワタシも下がるしかない。


「わかったわ。でも、つぎ、キョウや仲間を傷つけたら殺すわよ。あと、ワタシのこの髪と火傷と、キョウの焼けた髪とケガをあなたの力でなんとかしてくれると嬉しいんだけど。」


ワタシはキョウを見ながら言った。


「わかったよ。それにしてもモス、華侯姫、お前たちもふがいないな。お前たちも鍛えなおしてやる。」


凍子のその言葉に、モスと華侯姫も背筋を伸ばしていた。


「アビ、すまない。」


ワタシのところへキョウが駆け寄ってきた。


火傷が痛々しい。


「キョウ、ごめん、ワタシのせいで危ない目にあわせて。」


「私こそ、お前が侮辱されてカッとなってしまった。いきなり殺しにくるとはおもわなかった。ここは人の世界とは違うんだな。」


キョウはワタシの手を握りながら言った。


そうだ。


人類圏ならいきなり殺しにくるやつなどいない。


しかし、ここは違うんだ。


そのなかでワタシはキョウを守っていくんだ。


そうおもいながら、彼女を抱きしめた。







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