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冒険者ギルドで死亡扱いされた私が、神と邪神に愛され最強で最高のダークヒロインになる。  作者: 黒木菫
正義愛鬱編

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第213話 呂鋼鬼対アビ

「があああああ!」


呂鋼鬼が吠えてつっ込んでくる。


そして、右ストレートを放った。


ワタシは剣でそれを十字受けした。


呂鋼鬼の顔色がかわる。


が、遅い。


ワタシの【雷神(イシュクル)】はワタシの身体を強制的に動かし、彼女の膝上を切り飛ばした。


「なに!?」


右足を失った彼女はそのまま倒れこむ。


拳を剣で十字受けするなんてあり得ない。


これはヨクトのスキル、【豪傑覇気】の物理無効の継承。


ワタシの【魔勇者】は思いを受け継いだ仲間のスキルの一部または全部を使える。


生きている仲間はさすがに全部は使えない。


要は下位互換ではあるが。


今までは物理無効というより、物理耐性を上げていたのだが、剣や腕で十字受けをしたときに物理無効が発動するようにも調整した。


もっともその分他の部分の防御は下がるが。


そして、ビゼンの【闘神】。防御無効。これは刃物で切りつけた場合は相手の物理防御を無視する方向に強化した。


彼女はそのまま立ち上がって右足を引っ付けた。


まだやるらしい。


◇


災王は目の前で起こったことが信じられなかった。


呂鋼鬼の正拳を真正面からうけて、さらに硬化した右足を切り飛ばすとは。


あの女、本当に人間か。


そして、魔王の座など関係なく自分が戦ってみたいという衝動が沸き上がる。


それは他の魔族たちも同じだった。


◇


「すごいじゃないかアビは!」


立会人席の凍子が手を叩いて喜んだ。


「あれでもまだ本気じゃないだろ。私と多少は戦えるんじゃないか?」


「アビは私の細胞が入ってるからな、実質、私の眷属のようなものだ。オーガなど問題じゃない。」


究姫はうっとりとアビを見つめる。


「なにをいってるのよ。アビは私の弟子で恋人で親友よ。たんなるお友達のあなたの力など関係ないわ。」


アオが究姫にはりあった。


「お前ら、気持ち悪いんだよ。女同士でいちゃいちゃと。」


究姫は苛立たしそうにいう。


「あんたも混じればいいじゃない。」


「クロが元の姿にもどれば考えるよ。」


2人は軽口をたたき合った。


◇


まいったな。


ワタシは気づいてしまった。


呂鋼鬼は力を手にするために、本能だけで戦っている。


つまり、降参することはない。


だったら、これはどうだ。


【お前の刻は凍り付く(アブソリュート・ゼロ)】


ワタシは高速で呂鋼鬼の四肢を切り裂き、その切り口を絶対零度で凍りつかせた。


四肢を失って、再び、呂鋼鬼は倒れこんだ。


しかし、こんどは四肢が再生することもない。


◇


「おい、アオ、あれはお前の権能だろ!」


究姫が立ち上がってアオに文句をいった。


「別に私の専売特許ってわけじゃないわよ。でもうまくやったわね。」


アオはにこりと笑ってアビを見つめている。


「助けないって約束だっただろ。アビの反則負けだろ。」


究姫はアオをにらみつけた。


「助けてないわよ。でもね。アビが前に聞いたのよ。アビのスキル【魔勇者】は仲間のスキルを使うことができる。でも、私のスキルは使えない。でも、事前に私の権能の一つくらいなら貸せることに気が付いたんだよ。私がゴブリンに力を貸したのは私の意思だけど、あれはアビがやってることだよ。」


「いや、ずるだろ、それは。」


「ずるくないよ。そんなこといったら四霊の連中は法術で大勢に自分たちの力を貸してるでしょ。私はアビにだけ貸してるだけよ。それにお前こそ、誰彼構わず力を与えてるでしょ。」


「いや、この戦いは別だろ。」


「そんなこと今から言われてもね。聞いてなかったし。」


◇


呂鋼鬼はまだ戦おうと四肢を動かしている。


自分で理性を切っているのか、呂鋼鬼は唸り声をあげるばかりだ。


「クロ、まだつづけるの?」


ワタシはクロに確認した。


「まだ、呂鋼鬼の闘志が消えてないからね。降参するか、殺すしかない。」


「どっちもできなければ?」


「降参させるか殺すかできなければ、アビの負けだ。」


クロははっきりいった。


(しかたないか)


ワタシは剣を構え直し、とどめをさそうと呂鋼鬼にちかづく。


「やめろアビ!」


観客席から声がした。


テルが叫んでいる。


「もう決着はついた!」


ワタシはテルのほうを見た。


その瞬間。悪寒。


ワタシは【雷神(イシュクル)】のスキルで体を強制的にねじって回避する。


しかし間に合わず、右肩がえぐられた。


呂鋼鬼は這いつくばりながら口から魔力衝撃波をはなっていた。


「アビ、私は負けられない。」


呂鋼鬼ははじめて声をだした。


(正気を取り戻したのか。)


体の鎧の凍結した部分だけが脱皮するように崩れ落ちる。


そして中から新たな鎧がうまれた。


さらに、両手を形成し、爪のようなものができあがる。


両足も再生していった。


凍結しても鎧の部分は崩れて生え変わるわけか。


ワタシは両手の剣をさやに収める。


そして、今度はこっちから突っ込んだ。


再生したといっても両足の中身はがらんどう。


素早い動きには対応できない。


ワタシは呂鋼鬼の爪をかいくぐり、直接、彼女に触れた。


解析スキル【触診】だ。


直接相手に触れることで対象を解析する。


解析するのは彼女の精神体。


・・・ああ、やっぱりそうか。


彼女の精神体の解析ができなかった。


この反応は、アオや究姫と同じだ。


つまり、彼女は四神や四凶と同じような魔力の影響を受けているんだ。


つまり、一度死んで姒鯀によって蘇らされたんだ。


ワタシは全てを悟った。


ワタシは呂鋼鬼につげた。


「呂鋼鬼、あなたすでに死んでいるわ。」



ここまで読んでいただき、ありがとうございます!


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