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冒険者ギルドで死亡扱いされた私が、神と邪神に愛され最強で最高のダークヒロインになる。  作者: 黒木菫
正義愛鬱編

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第210話 惨殺

「なんだこれは!?」


呂鋼鬼が災王の城にもどったとき、そこには仲間の死骸であふれていた。


切り刻まれ、無残につぶされている。


「これはいったい!?」


思わず声が出る。


(そうだ、災王様、災王様はどうした!?)


コツン、コツン。


足音がした。


災王のものではない。


もっと小柄だ。


ローブに仮面の男が現れた。


(なにものだ!?)


「お前がやったのか!?」


呂鋼鬼は声をあげる。


しかし、本能が恐怖がここからすぐに去らないといけないと告げている。


「おまえ、たしか、呂鋼鬼とかいう……」


仮面の男が自分の名を告げたその瞬間。


呂鋼鬼は大きく後ろに飛び、叫び声をあげて、逃げ出した。


「うわあああああ!」


アイツと戦ってはいけないと本能が告げていた。


「チッ、いちおうオレは手を出してはいけないというルールだったな。」


姒鯀は舌打ちをする。


そして、手を挙げた。


すると屍が次々と立ち上がった。


「ふむ。かなり上達してきたな。」


(死翼の力を吸収することでよみがえらせる死体の数と活動時間が格段にあがった。)


姒鯀は自分の魔力のみなぎりを確かめる。


そこにチミが現れた。


「片付いたぜ。」


その体は全身、返り血にまみれていた。


「ご苦労。では、災王をお前に従うようにしておこう。」


「まじか!」


「ああ、それで、災王がお前の後押しをするということにすれば、災王の部下もお前に従わざるを得まい。それと、貴様には不死王、須玉(すだま)の名をやる。今後はそう名乗るが良い。」


「おもしれえ。見てろよ。青竜め、必ず犯して殺してやるよ!」


須玉は拳を握りしめた。


「やめておけ。まだこりんのか。」


(こいつには精神支配がうまく効かん。アオは自ら手を出さずとも、たかがゴブリンを強化するだけでこいつの結界をいとも簡単に貫通させた。化物め。それがそのままやつとオレの差だな。)


「自分より弱いやつを見つけて戦え、それで奪え。地震や台風のような自然災害と戦う馬鹿がいるか。あれは災厄だ。」


(もっともオレは同じく、災厄、凍子を殺し、その力を奪おうとしてるのだがな。)


姒鯀は自嘲気味に笑った。


◇


「アビ、お前ほんとに、魔王になるのか?」


テルが不安そうな顔をしていった。


ワタシはテルとシリュウと食事をしながら二人の話をきいている。


彼らは異世界人であり、この世界にきてからの最初の仲間たちだ。


なにやら話があるらしい。


「ん。まあそういう流れになりそうなんだけど。」


ワタシはご飯をたべながら話をすることにした。


「人間のアビが魔王というのもアレなんだけど、その、央国のキョウ王女と結婚するという噂もあるんだけど、本当なのか?」


「ええ、まあそうなるかなと。」


「その女性同士で結婚ってどうなんだ? というか。その、そういう趣向の人だと知らなくてすまなかった。」


テルがワタシに何故かあやまった。


「ん?」


「いや、君が女性が好きだなんて知らなくて、なのにずっと一方的にオレの気持ちだけ言ってほんとに悪かったと言うか・・・」


テルが照れながら言った。


どうしよう。


反応に困る。


ワタシもはじめはそうじゃなかった。


というか、アオたちによればそもそも人間ではなくなっているらしい。


それは自覚がある。


まあ黙っているのもなんだ。


「いや、実は、ワタシは人間ではなくなっているらしい。」


「え? どういうこと?」


テルとシリュウがわからないという顔をした。


「話は長くなるけど、四凶の究姫ってやつに、右目に悪魔をいれられたり、その時にあいつの血をいれられたり、その他もろもろでワタシの身体は人間ではなくなっているらしいのよ。」


「なんだ、なんだよそれ。」


テルが信じられないという顔をし、シリュウがなんともいえないという顔をしている。


「その、自分で自覚とかいうか、なにか変わったことがあるのか?」


シリュウが聞いた。


「うん。たとえば、こうやって食事をしてるけど、ほんとは食事の量をもっと減らしてもたぶん大丈夫だと思う。あと、実は女性のアレがない。エルフみたいにほとんど子供をうめなくなったのか、そもそも産まなくていいのかわからないけど。」


「ぱっと見は全然わからないけど・・・」


シリュウが当惑したようにいった。


「あとは筋肉があまりつかなくても強くなってる。これはワタシがこうなりたいという思いや、アオやキョウの願望がはいってるらしいけど。」


「いや、実は前にあったときより、綺麗になってるとはおもってたけど。」


テルが嬉しいことを言ってくれた。


テルは昔からずっとワタシのことを好きだといってくれたのに、なにもさせてなかったな。


「テル、今から、ワタシの部屋にこない?」


ワタシはストレートに彼にいった。


「え? なんで?」


彼は素で答えた。


どうやら意図がつたわらなかったらしい。


「いや、だから、ワタシとSEXしない? といってるんだけど。」


「・・・!?・」


二人が固まってる。


「いや、お前、そんなキャラだっけ?」


シリュウがスプーンを持ったまま止まっている。


「ああ、ごめん、なんならシリュウも一緒に。」


「あほか! やるか!」


相変わらず、テルは口を開けたままだ。


しまった。


クロとかアオ、いや、うちの女兵士たちを扱うようにやってしまったか。


しかし、今更、引き返せない。


「ほら、ワタシのことが好きだったんでしょ。行くわよ。」


ワタシはテルの手を取って立ち上がった。


そこにガリョウがやってきた。


「アビ、シリュウもいたのか、ちょうどいい。災王が須玉(すだま)というやつに位を譲ったらしい。魔王決定戦はそいつが災王の代わりに出るらしい。」


すだま?


聞いたことのない名前だった。


テルとの話はまた今度だ。


ワタシはガリョウから情報を聞くことにした。



ここまで読んでいただき、ありがとうございます!


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