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冒険者ギルドで死亡扱いされた私が、神と邪神に愛され最強で最高のダークヒロインになる。  作者: 黒木菫
正義愛鬱編

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第209話 復活

「アオ、これはどういうことよ?」


究姫と凍子とクロがワタシの部屋に乗り込んできた。


一枚の紙をひらひらと振りながら、究姫がアオに詰め寄る。


「どういうことって、みたままよ。災王と刑将、それにアビと呂鋼鬼が戦って、最後に勝ったものを私達が魔王に推薦する。まあ、実質、アビが勝つから、あなたたちも推薦してくれるでしょ。」


クロは嬉しそうにニヤついてやり取りを見ている。


「なんで、私達まで、推薦することになったのよ。」


いや、まて。


究姫と凍子はワタシを推薦するといっていたとアオはいっていたが・・・・


「あなたたち、言ってたじゃない、姒鯀とアビならアビにつくと。」


「それは姒鯀とアビならという話だろ。」


究姫が腕を組む。


いや、まて、あれはアオが勝手に言ってただけなのか。


「同じことよ。じゃあ聞くけど、アビが魔王に立候補したとして、あんたたちは反対するの? じゃあ、あんたは私とクロの敵ね。あなた、アビの友達なんでしょ。今回はあんたは私達と敵対する理由なんてある?」


アオはいつになく、究姫を口車に乗せようとする。


「それに、アビがアイツら、あの三人に勝つ保証などないでしょ。特にあの災王と刑将は相当強いぞ。」


究姫は座り直した。


「私はアビで良いと思うよ。ただし、もう少し強くなって、私とそこそこは戦えるようになってもらわないとね。」


凍子がジュースを飲みながら物騒なことをいってる。


ワタシは別に戦いたくはないのだが。


「でもスカーレットはどうするの?」


「あいつは、こういうの興味ないからね。」


クロは上機嫌でいう。


「まあまあ、こうなったら推薦はするが、私たちは、この勝負が終わるまで完全中立だ。たとえ、アビが死にそうでも助けない。それでいいね。」


クロが三人に確認した。


死にそうになったら助けてほしいが。


「いいわけないよ。流石に死にそうになったら、私は助けるよ。」


「いやいや、それはルール違反でしょ。」


究姫がつっこむ。


「あくまで死にそうになったらね。そうなったら、全力で私を止めるのね。」


アオがシリアスな顔をしながら、クロのおっぱいを揉んでいる。


なんなんだ、この人たちは。


しかし、事態は思いもよらない方向にすすんだ。


◇


「アビ! 来てくれ!!」


ワタシはシリュウのドアを叩く声で起こされた。


横ではまだ、クロとアオが絡み合って寝ている。


ワタシは最低限、服をきて、ドアをあける。


「どうしたの? こんな朝から。」


まだ外は暗かった。


「刑将様が、殺された。」


「なんですって!」


ワタシは一気に目が覚めた。


アオとクロを叩き起こして、刑将様の屋敷にむかった。


現場は訓練場だった。


正面から、刑将様は心臓を槍で一突きにされて絶命していた。


「いったいだれが。」


まず、刑将様の魔力感知をかいくぐり、そばに近づき、真正面から魔力を込めた槍で貫かないといけない。


「災王の手先に違いない。勝てねえからってこんなことをしやがったんだ!」


刑将の部下たちが口々にそう言っていた。


ワタシは嫌な予感がした。


「そういえば、あのレジェンドのやつはどうしたの?」


「やつは死んだよ。いろいろ実験された。火の中に入れられたり、水の中に落とされたり、最後は水の中で溺死したよ。」


そうか、やはりそういうことになったか。


それでもワタシは嫌な予感が拭えなかった。


「それで、やつの死体はどうしたの?」


「死んだあとだから燃えるとおもったが、そのまま魚の餌だ。水の中に沈んでるとおもうよ。」


「確認したい。案内して。」


「おい待てよ。生き返って、レジェンドが刑将様をやったとでも?」


「王都で、死んだやつを一時的に生き返らせて自由にあやつれるやつがいた。姒鯀というやつだ。」


「本当か。そんなやつがいるのか。」


ワタシはシリュウに案内してもらって、レジェンドが沈んでいるという池に向かった。


◇


「この水の中からやつの死体を探すことってできる?」


「わかった、リザードマンとかに頼めば簡単だ。」


シリュウは直ぐにリザードマンに頼んで、水中を探ってもらった。


やはりそこにはレジェンドの死体はなかった。


「魚か、怪魚に食われたんだろうよ。」


水から上がったリザードマンが肩をすくめる。


そうかもしれない。けど、やはりひっかかる。


刑将の部下たちは災王の仕業にちがいない、といきり立った。


しかし、ワタシたちは刑将との契約は終わった。


これ以上は首を突っ込む筋合いはないといえばなかった。


事態を静観するしかなかった。


◇


どこかの小屋——


「あいつら! どいつもこいつもぶっ殺してやる!」


チミは酒を呷った。


だが、何の味もしなかった。


「なんの味もしねえ!」


「お前の体は今、不死(アンデッド)になってるからな。食事など必要ない。」


マントと仮面をつけた男が答えた。


「こんな姿にしやがって!」


チミは男に向かって吠えた。


「悪く思うな。オレも新たな力をコントロールできていないんだ。お前を不死(アンデッド)にするのが精一杯だった。徐々に感覚ももどってくるだろう。それよりお前は魔王になりたかったんだろ?」


男は冷たく言った。


「正確には魔族になりたかったんだ。不死(アンデッド)になりたかったわけじゃない。」


チミは苛立ちを隠さずいった。


「お前は魔族を何だと思っているんだ?」


「そりゃ、魔物とかそういうやつだろ。」


男はクククと笑った。


「本来は魔族なんていう種族は存在しないがな。人間を中心とした種族が自分たちがよくわからない種族を魔族とよんでるだけだ。そういう意味ではダークエルフもまた・・・・」


「うるせえ! どうでもいいそんなことは!」


チミは男の言葉を遮る。


「殺してやる! 殺してやるぞ!」


チミはそう言いながら味のしない酒をのむ。


「まあ、落ち着け。いいか、まずお前は災王をたおせ。そして、呂鋼鬼、さらにアビも倒してお前が魔王にふさわしいと証明するんだ。」


男がチミを指さした。


「ああ、とくにアビのやつはじっくりやってから殺してやる。だが、アンタに指図させるのも気に入らねえ。アンタの狙いはなんだ。」


「それをお前が知る必要はない。だが、オレの命令を聞かなければお前はただの屍になる。」


「わかった。」


男の言葉にチミはなぜか静かにうなずいた。


その命令がまるで当然のことのように思えた。



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