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冒険者ギルドで死亡扱いされた私が、神と邪神に愛され最強で最高のダークヒロインになる。  作者: 黒木菫
正義愛鬱編

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第196話 勝利者

「こいつがキョウを襲おうとしたところ取り押さえたわ。」


アオが魔力による拘束で動けなくしたビエムを指さして、戻ってきたアマンにいった。


「こいつは霊教会の中でもかなりの過激派でした。おそらく例の異世界の兵器を起動させたのはこいつでしょう。」


ジョイエルもアマンのほうを見ていった。


「そいつは悪魔が化けているんだぞ!」


ビエムはキョウの顔をみていった。


「どういうことだ。」


アマンはキョウのほうをみて怪訝な表情をする。


「アマン、悪く思わないでね。こういうことよ。」


アオが合図をすると、妲姫が正体を現した。


「これは!?」


アマンが驚いた。


「あなたを信頼していないわけじゃなかったんだけどね。キョウに化けた妲姫をつかって今度こそ確実にこいつを捕まえたかったのよ。そちらの方はうまくいった?」


アオはアマンのほうをみて聞いた。


「ええ、核兵器は白虎竜ハク様が処分してくださいました。死翼はすでにとらえてあります。もっとも、事件の黒幕、姒鯀という者が結局現れなかったのが気になりますが。」


アマンはなにか重大なことを見落としているような予感があった。


◇


事態も徐々に収束していった。


暴れていたものたちが次々と動きを止めたのだ。


理由はわからなかった。


しかし、一つ確かなのは、暴れていたものたちのほとんどは動きがとまったあと、みんな死んだ。


一方、とまらないものたちもいた。


「おのれ、ちょこまかと!」


饕狼は引き抜いた街灯を小枝のように振り回した。


徐姫はそれを華麗にかわした。


徐姫は魔力で饕狼の動きを封じようとしたが、一切効果はなかった。


(こいつ、銀の攻撃以外はまったく効かんな。)


それでも徐姫はスキをみて銀の剣で一撃を浴びせていく。


しかし、街灯で殴られると、銀の剣などあっさり折れるのは明らかだった。


(こいつ!ころしてやる!)


徐姫はその隙を伺った。


そのとき、空から声が聞こえた。


「お前たち、何をあそんでいるんだ?」


二人の悪魔がピタリととまった。


究姫が笑って宙にういていた。


しかし、その目は笑っていなかった。


「お前たちが遊んでいる間に、私が直接、暴れていたやつらを抑えたよ。それでまだ暴れてるやつがいるかとおもったら、お前たちだった。これはどういうことかしら?」


究姫は右手に魔力を収束させた。


「ち、ちがうのじゃ、究姫様。こいつが操られていると思って妾はとめようとしたんじゃ!」


徐姫は懸命に主にむかって身の潔白を主張した。


「てめえ!お前が勝手にオレに襲い掛かってきたんじゃねえか!」


それをみて饕狼も吠えた。


二人をみて、究姫はため息をついた。


「流れとはいうものの、私が直接人間どものためにはたらくなんてねえ。結局、優勝者はなしか…。とりあえず、こっそり死翼のやつを逃がしてやるか。」


究姫は二人を放っておいて、死翼のもとに向かった。


しかし、そこはもうもぬけのからだった。


◇


「ここだ。ここに私の身体を隠したのだ。」


廃れた山小屋の中にそれは寝かされていた。


死翼の本体である。


「よかった。獣にもあらされていない。」


死翼は安堵の声をあげる。


「今、この体には私の本来の魔力が眠っている。しかし、その権能は当然、私にある。わが魂をもどし、そしてその魔力を今、人間である私に再譲渡することにより、私は復活するのだ。」


「なるほど、ではそれを今、この時にかぎり、第三者に譲渡することも可能なのですね。」


姒鯀は死翼に並んでいった。


「そうだ。つまり、こうして、あらかじめ、私が人間として死ねば、その魔力の方向を姒鯀、お前に流れるようにしておくのだ。すると、私が死んだと同時に、四凶の魔神としての力はお前に継承されるはず・・・あれ?」


死翼は自分の言っている内容に違和感を感じた。


そして、自分の胸元をみた。


心臓あたりに深々と短刀が突き立てられていた。


それをみて死翼はその場に倒れた。


「クククク。いくつか策を打っておいたが、まさかまさか、もっともあり得ないと思っていたことが起こるとは!」


死翼の人間の肉体はすでに姒鯀により道中殺害されていた。


そして、死体は一時的に、姒鯀により蘇らせていたのだ。


次の瞬間、姒鯀は自分の中にかつてない魔力が満ち溢れるのを感じていた。


四凶、死翼の魔力が姒鯀に流れ込む。


「すばらしい!オレは今、世界最強になったのだ!」


姒鯀の中に神の万能感があふれた。


そう言ったあと。


自重する。


(いかんいかん。これでも死翼は自分たちでは玄武竜に勝てないと言っていた。)


(まずは、時をまつのだ。ゆっくりだ、焦る必要はない。)


(四神どもと敵対はまだしない。やつらにもいずれ必ずスキができるはずだ。弱点をさぐるのだ。)


(なんなら貸しをつくってもいい。)


新たな魔神は人間、死翼の遺体を捨て去りその場をさった。



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