↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
冒険者ギルドで死亡扱いされた私が、神と邪神に愛され最強で最高のダークヒロインになる。  作者: 黒木菫
正義愛鬱編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
189/275

第189話 失踪

「さっきのコンってやつ、どうおもう?」


ワタシは録画映像をみながら、ガリョウに聞いた。


「あの能力は、私にも解析できませんでした。さっきの結界は、おそらく光すらも遮断されていますね。そして、あいつ自身も解析できていません。何者かはわかりませんが、ただものではないですね」


「どうやって徐姫を倒したかも、わからないしね」


ワタシたちは改めて、先程の戦いを録画で見る。


「しかし、ガリョウ、お前のスキルもすごい能力だな」


ガリョウのスキルに、ヨクトが感心する。


「私のスキル【魔道衛星(サテライト)】と、科学の融合ですよ」


ガリョウはノートPCを叩きながら答えた。


まさか、この世界でノートPCを見ることになるとは思わなかった。


これも彼女のスキルの権能らしい。


向こうの世界で自分が実際に使用していたものを再現できる、というのが本来の彼女の能力とのこと。


その「使用していた」という定義は、かなり幅広い。


スマホのGPSを使用していたというから、【魔道衛星(サテライト)】を再現したらしい。


チートツールとしか、いいようがない。


飛行機にものったことがあるから再現できる、と言っていた。


ただ、拳銃などの兵器類はつかったことがないので、再現できないらしい。


しかし、意外だったのは、凍子に対してクロがわりとあっさり引いたことだ。


どうもクロは、凍子には甘い。


究姫にも、わりとやさしい。


アオは二人をうっとおしがっているから、だいぶ違う。


「次はまた、例のジョカの戦いだな。やはりアビは、彼女が勝つと思うか?」


ビゼンが画面を見ながら質問した。


「当然ね。今、あの会場には、アマンの警備隊を含めた四万の観客と、出場選手たちがいる。その全部のスキルや魔法を、彼女は使えるのよ。彼女に勝つには、それこそ——荒野にでも彼女を連れ出して、しかもフィジカルで圧倒しないと無理よ」


ワタシは笑って答えた。


◇


「さあ! 準決勝第一試合は、オウライ選手対ジョカ選手だ! オウライ選手は身長二メートルをこえる大男! 一方、ジョカ選手の身長は、まさにちびっこ! これは勝負、見えたかあ!?」


二人の選手が入場した。


オウライは、当惑していた。


(オレもいろんなやつと戦ってきたが、まるで子どもじゃないか)


前にたつジョカは、武道着を着てはいるものの、姿形はどう見ても、少女のそれだった。


姿形が少女という意味では凍子もそうだが、四凶である彼女に対し、ジョカはどう見ても、人間の少女にしか見えなかった。


(いや、姿に惑わされるな)


(彼女はここまで、勝ち上がってきたのだ)


(眼の前にいるものは、化物と思え!)


オウライは、改めて自分の油断に活をいれた。


「それでは! 試合開始!」


凍子の声があがった。


◇


「おおおお!」


オウライは、雄叫びをあげた。


が、次の瞬間、ジョカが消えた。


いや——自分の背中が、地面についている!


「ようやく気がついたな」


横に、ジユンが腕組みして立っていた。


周りをみる。


「ジユン様! ここは一体!? オレはジョカと戦っていたのでは!?」


「試合開始、直後。眉間に一発だった、らしい」


「らしい? とは?」


オウライも、自分になにが起こったかわからず聞いた。


「あれは、アマンのスキル【絶影】だな。だれも、ジョカが何をしたかわからなかった。凍子の解説によれば、試合開始直後、ジョカがお前の懐に飛び込み、眉間に一撃を放ったらしい。オレたち目線では、いきなりお前が仰向けに倒れたようにしか、見えなかったがな」


「ばかな! 納得がいかない! いくらなんでも、オレはまだ戦えます!」


オウライはベッドから起き上がる。


「まあ落ち着け。お前の気持ちもわかる。だが、今はそれどころではない」


「なにか、あったのですか!?」


オウライは立ち上がりながら聞いた。


「例のコンが、姿を消した」


◇


コンの控室に、アマンとカギ、リユウ、クロに凍子、究姫、それにスタッフがあつまった。


「ほらみろ。あのとき私が正体を暴いていればよかったのに。にげられたじゃないか」


クロは腕組みして、不機嫌そうにいった。


「もう一度聞くが、でていったところは見ていないんだな?」


アマンはスタッフに確認をした。


「はい。各出口には警備が配備され、身分証の提示など厳しいチェックが行われますので」


スタッフは恐縮しながら、アマンに答えた。


(もっとも、スキルなどを使われたら、わからんか)


「だいたい、クロ。あんたが怪しいと言ってたんだから、あんたが監視すればよかったじゃないか」


究姫がクロに突っ込んだ。


「魔力感知はしていたよ。ふっと消えたんだよ。空間転移したか、あるいはごまかしたか、まではわからないけど」


クロは不機嫌そうに答えた。


「ちょっと、気になることがあるんだけど」


凍子が口を開いた。


「みんな、気がついてると思うけど。この大会、ものすごい近いところで見てるやつがいるよね。でも、その逆探知はものすごく遠くからやってるみたいで、探知できない」


「それは、どういうことですか?」


アマンが凍子に聞いた。


「それはいいよ。敵じゃないから」


クロが代わりに答える。


「なんだよ、それ。秘密? 大会審判の私にも言えないこと?」


凍子が口を尖らせた。


「まあ、そういうな。敵を欺くにはなんとやら、ってな。知らないほうがいいこともある。とにかく、それは味方だ」


クロの反応に、アマンも不満の表情を見せるが……


「それはともかく、大会はこのまま実行したいと思います。コンについては失格、ホウコウが不戦勝ということで、決勝でジョカと戦ってもらいます。それと……」


アマンは、不意の来客について、情報を共有した。


◇


ジョカの控え室。


「ジョカエル様、ご無沙汰しております」


ジョイエルが、ジョカの控室を訪ねた。


「ジョイエル。久しぶりね。姿を消してから、心配していたのよ。今まで、どうしていたの?」


ジョカは、ジョイエルを部屋に招き入れた。


「現在は、玄武竜クロ様のもとにお世話になっています」


ジョイエルは、ジョカに促されて椅子にすわる。


部屋は、簡素なテーブルと椅子だけがあった。


「クロと一緒にいたのは、知っていたわ。人質にでもされているんじゃないかと、心配していたのよ」


ジョカの声に、ジョイエルは言葉を詰まらせる。


「私は、信仰を霊神から玄武竜クロ様に変えました。私のことは、ジョイとお呼びください」


「そう。元気そうなら、それでいいわ。霊教会を離れることを、別に責めてるわけじゃないわ。霊神は、あなたをたすけてくれなかったのでしょう?」


ジョカは、ジョイエルを笑顔で見つめながら答える。


「ジョカエル様。今日、こうして恥を忍んで参ったのは……霊教の大司教のあなたから、異端者の裁きを受けるためです。どうぞ、私に異端の烙印を押してください」


そう言って、ジョイエルはジョカにひざまずいた。


ジョカは、ジョイエルの肩をだいて立ち上がらせる。


「霊神は、そんなことであなたを裁いたりしないわ。別に、クロと仲良くしても、霊神はあなたに天罰など与えてないでしょう。それに、世話になったクロに感謝をするのと、霊神への信仰は、矛盾はしないでしょう」


「わかりません。私は、クロ様の【誘惑(テンプテーション)】で、惑わされているのかも」


ジョイエルは、うつむきながら答えた。


「ジョイエル。あなたは、ほんの少し迷っているだけよ。私には、あなたを異端にすることなんてできない。それより、元気そうでうれしいわ。あなた、ミルクティーで良かったわよね」


ジョカは改めて、ジョイエルのためにミルクティーの準備をする。


「ジョカエル様。一つ、教えてください。あなたが、この大会にでている目的はなんですか」


「この大会の優勝者には、究姫から力がもらえるそうじゃない。それよ。その上で、私の力がやつらにどこまで通じるか試すためよ」


「邪神の力ですか?」


「霊神は別に、力をえるのに邪神を利用してはいけないなんて、いってないわ。力のない正義なんて、無力よ」


「たしかに、それはそうかもしれません」


「あと、ジョイエル。この大会、なにか、まだ起こるかもしれないわ。クロのそばを離れないようにしなさい」


「それは、どういうことでしょう?」


「あのコンというやつが消えたわ。何か、おこるかもしれない。それに、あいつは私でも解析できなかった。おそらく、かなりの上級魔神ね」


「ジョカエル様でも、ですか?」


「そう。ひょっとしたら、四凶か四神クラスかも。今の私の力がどこまで通じるか、試してみたくは、あったけどね」


ジョカエルは、ジョイエルに向けた優しい笑みから一転して、冷徹な笑みをうかべた。



ここまで読んでいただき、ありがとうございます!


続きが気になった方は、

ぜひ応援クリック、ブックマークをお願いします!

SNSで拡散お願いします

やる気がでます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。