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冒険者ギルドで死亡扱いされた私が、神と邪神に愛され最強で最高のダークヒロインになる。  作者: 黒木菫
正義愛鬱編

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第152話 旧友との再会

「ブハハハハハ!女!その細腕で何ができるか!?」


オークのボスは四メートルの巨体を揺らしながらワタシに近づいてきた。


「さあ、あの女戦士はオークのボスに勝てるんでしょうか」


横を見るとソウが観衆を煽っていた。アオと一緒にちゃっかり賭けを始めている。


万が一にもワタシが負けるとは思っていないらしい。


「オレはジェネラルに賭けるぞ!」


「いや、オレは女戦士だ!」


(ジェネラル、それがコイツの名前か呼び名か)


(では、少しおどかしてやるか)


【限界突破(オーバードライブ)】


目線が上がっていく。ワタシの手足が伸び、成長する。


「こけおどしが!」


オークがワタシを掴もうと腕を振りかざす。


ワタシは一気に懐に飛び込み、足元に剣戟を叩き込んだ。


オークはそんなもの、意にも返さない。


【魔神雷斬(ライトニング・スラッシュ)】


「ぶるああああああ!」


電流がオークの全身を駆け巡り、前のめりに倒れ込む。


さて、この茶番にも決着をつけるか。


「悪く思わないでね。ここのルールだから」


ワタシはオークの首に向けて剣を振り上げる——「フリをした」。


「ストップ!ストオオオップ!」


聞き覚えのある声がした。


声の方を見る。


銀髪のショートヘア、魔導士風の女——私の友人、シリュウだった。


「シリュウ!」


「アビ、久しぶりね」


私たちは再会を喜び合った。


「じゃあ、このオークたちはあんたの差し金?」


「いや、どうしてもこいつら——ボスが、お前らの力を確かめたいと聞かなくてね」


「あー、だったら、やりすぎたかしら」


ワタシは周りを見渡した。


ヨクトに気絶させられた連中や、他の兵と戦った者たちはともかく、ビゼン、モス、華侯姫にやられたオークたちは容赦がなかった。あたり一面、血の海になっている。


「いや、試したいと言ったこいつらが悪い。ボスも承知の上だ」


「うううう……」


唸りながら、オークのボスが立ち上がった。


「文業、これで納得したか」


シリュウがオークのボスに声をかけた。


「ああ。なんて強さだ。人間とは思えん。しかも、後ろにいるのはベヒーモスと悪魔だろ。契約してるという感じでもない」


文業と呼ばれたオークは地面に座り込んだ。まるで大岩だった。


「まあ、ちょっとやりすぎたかもね。悪かったわ」


頭を下げれば許されるものでもないが、かなりの仲間を殺してしまった。


「ク、フハハハハ。面白いやつだな。仕掛けたのはこっちだ。それにやつらは弱かったから負けた。正々堂々とした戦いだった。謝ることはないだろう」


これが魔物の流儀というものだ。


「でも、あんたたちは私たちの非戦闘員には本気でやってなかったでしょ。途中で気がついたよ。それにワタシにも魔力は使わなかったでしょ」


「ほう?そこまでわかるのか?」


文業が驚いたように言った。


「アビ、噂は本当のようね。本当に強くなったな」


シリュウが感心したように言う。


「まあね。いろいろあったから」


「道中、移動しながら教えてよ。もちろんあんたの事情も一緒に」


「ええ、よろしくね」


そのとき、男の声がした。


「アビ!」


「げ、テル!」


若い男がこちらに向かって手を振ってくる。


思わず「げ」とか言ってしまった。


「なんだあいつ。やばいやつか?」


ヨクトが気にしてくれた。


「いや、いいやつよ。でも、ちょっとね……」


「アジトで待ってろと言ったんだけど、どうしても早く会いたいと聞かなくてね」


シリュウがため息をつくように言った。


「アビ!帰ってきたんだな!」


テルが笑顔で近づいてくる。二十代半ばの短髪の男だ。走ってきたのに、息一つ切らしていない。


「あんたも相当鍛えたみたいね」


「わかるか!君にふさわしい男になるためにね!」


「ハハハハ」


悪いやつではない。悪いやつではないのだが。


横でヨクトが、ああなるほどそういうことね、という目で見ている。


「あの、この男性は?」


テルがちらりとヨクトの方を見た。


「あー、こいつはヨクトといって、そういう関係じゃないから。いろいろあって義弟(おとうと)になった」


「まあ、そういうことだ。姉貴の親友らしいな。よろしく」


「ああ、オレはミカモ・テルアキ。みんなからはテルと呼ばれてる」


安心したようにテルがヨクトと握手をする。


「こっちのダークエルフは義妹(いもうと)のビゼンよ」


「よろしく頼む」


ビゼンも礼儀正しく挨拶をした。


他の連中はともかく、こいつをどうしたものか。


そう思ってワタシはアオをちらりと見る。


「私はアオと申します。アビの正妻一号です」


「「は?」」


テルとシリュウが同時にぽかんとした声を上げた。


「ちょ、誰が正妻よ!」


「あら、夫とかパートナーといった方がよかったかしら」


「ははは、面白い人だね」


テルはどうやら本気にしなかったようだ。


彼女の正体はのちほど話すか。


まあ、どうせすぐにバレるだろうし。


何はともあれ、ワタシたちはシリュウの案内で彼女のボス、刑将のもとへ向かうことになった。

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