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冒険者ギルドで死亡扱いされた私が、神と邪神に愛され最強で最高のダークヒロインになる。  作者: 黒木菫
幻教操国編~第一部最終章~

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第128話 乱戦のはじまり

「饕狼!オレが逃げるのを助けろ!」


チュウエイが叫んだ。


(まずい!)


チュウエイとロフは同時に倒さないと不死身らしい。


つまり、ここで殺さないとまずい。


もっとも、アオの武器なら殺せるとも言っていたが。


ワタシはロフの方に目をやった。


◇


「オオオオ!」


ロフが獣剣・蒼月を振りかざす。


金属が激しく響く!


「ハア!」


ビゼンは大地を砕かんばかりの一撃を青竜冷艶鋸で受け止めた。


衝撃波が周囲の石畳を吹き飛ばす。


「やるな!ダークエルフ!」


さらにヨクトが槍を繰り出す。


「雑魚が引っ込んでろ!」


ロフは自らのスキルで空中に大盾を作り出し、ヨクトの槍を止めようとする。


【蛇矛牙(スネーク・バイト)】


覇気を帯びたヨクトの槍はロフの盾を粉砕した。


「なに!?」


ロフは後ろに大きく飛び、身構える。


「腕を上げたな、お前たち。」


「今日こそ、決着をつけてやるぜ!」


「二対一だが悪く思うなよ!」


「何人でもこい!」


ロフが叫ぶ!


「ならそうさせてもらう!」


ロフの左右からさらに、ベヒーモスの魔人モスと悪魔、華侯姫が襲いかかる。


「四対一だが悪く思うな!人間!」


モスが四本の腕に剣を振りかざす。


巨体が大地を揺らして迫る。


「オオオオオオ!」


ロフが吠えた。


【方天!】


次の瞬間——


空間ごと切り裂かれるような音がした。


同時にモスの四本の腕が宙を舞う。


「ばかな!」


モスが叫んだ次の瞬間、その上半身と下半身が切り飛ばされた。


「「モス!」」


ビゼンと華侯姫が叫ぶ。


華侯姫がモスを回復させようと右手を伸ばした。


その手が——切り飛ばされた。


斬撃の結界。


ビゼンとヨクトもロフに近づこうとするが、踏み込むたびに斬撃が飛んでくる。


「野郎!今まで全く本気じゃなかったってことか!」


ヨクトが叫ぶ。


◇


(ロフ、なんてやつだ。)


四対一で互角以上に戦うとは。


しかも、ビゼンとヨクトは冒険者ならSランククラス、モスもAランクオーバーの魔人、華侯姫もそれに匹敵する悪魔なのに。


そして、私の前に立つのは悪魔饕狼、それにチュウエイ。


しかも、チュウエイは呼吸を整え、ここから逃げようとしている。


(まずい。)


そう思ったとき——


【翻訳者】が反応する。


【まとわりつく左足首への重り(ザ・クリンギング)】


誰かのスキルが発動した。


その瞬間、ワタシの左足首が重くなる。


魔力感知で見ると、左足首に魔力の枷がはめられている。


しまった、チュウエイの部隊か——


しかし、よく見ると、饕狼の左足首にも枷がある。


やつもこちらを見て、当惑していた。


それだけじゃない。


向こうにいるチュウエイ、そしてあたり全域の兵に魔力の枷がついている。


「うわ!」


「なんだこれは!」


魔力の弱い兵たちが次々と転倒し、戦闘どころではなくなっていた。


そして、一人の兵がチュウエイに切りかかる。


【絶影】——攻撃の瞬間、誰も使用者の攻撃を認知できない。


このスキルは——


アマンか!


【自動回避(オート・エスケープ)】——回避できる場合、無意識で攻撃を回避する。


チュウエイのスキルが発動した。


魔力の枷をはめられたまま、チュウエイは後ろにのけぞり、回避不能のはずのアマンの斬撃をかわす。


【自動反撃(オート・カウンター)】——回避行動のあと、無意識で反撃を行う。


またしてもチュウエイが別のスキルを発動する。


(あいつ、いったいいくつのスキルを持ってるんだ。)


起き上がりざまにアマンに殴りかかった。


アマンは魔力のシールドを作り、これを回避する。


チュウエイとアマンがスキルや魔術を使用するたびに私の頭の中で【翻訳者】が発動される。


正直うるさい。


「勅命により逆賊チュウエイを討つ!」


アマンはチュウエイに向かって剣を突きつけた。


「勝てると思うなよ!小僧おおお!」


チュウエイはアマンを倒さないと逃亡できないと覚悟を決めた。


◇


「お前の相手はこの俺だ!女!」


饕狼がワタシの前に立つ。


狼のような毛皮と爪を持つ悪魔。


巨体だった。


見上げるほどの。


しかしその気配はまるで鋼のよう。


「クククク、なかなかいい女だ!どんな声で鳴くのか楽しみだ。」


(こいつ、あの華侯姫より強いか。)


そして、【翻訳者】がやつの弱点を解析した。


【限界突破(オーバードライブ)】の効果中は解析スキルまでもが強化される。


そして出た解析結果は——


「銀が弱点。銀での攻撃以外、無効。」


叫びたくなった。


そんなに都合よく銀の武器などあるわけがない!


「クアアアア!いくぞ!」


饕狼が雄叫びをあげ、爪を振り上げる。


大地が揺れた。


【雷神槌撃(トール・ハンマー)】


ワタシはやつに向かって電撃を放った。


しかし駄目だった。


やつは電撃など何の痛痒も受けないように爪を振りかざしてくる。


やばい。


ワタシはとっさに、剣でやつの右手の爪を十字受けする。


バキン!


へし折れたのはやつの爪のほうだった。


「なにい!」


驚いたやつは大きく後ろへ回避する。


「貴様、なんだその剣は!?」


「青竜様からいただいた剣よ!」


「なんだと!四神様から!?」


明らかにうろたえる饕狼。


どうやら、アオの力の前には悪魔の無効能力など効かないらしい。


ほんとにチートだな。


しかし、効くのがこの武器しかないので、こいつ相手に近接戦闘をしないといけない。


きつい。

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