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第五百六話 失神







 「分かりました…………」


 ヒバリコは深く深呼吸をした。

 心の準備というものだろうか。


 「では…………私が本人の意思に委ねると言っておきながら、姫様を民の為の王女にしようとしたのは…………私の知るマリーアントワネット様に関する歴史に原因があります」


 「えっ??」


 マリーの顔が疑問符の塊となった。


 「アメリカ独立戦争の支援による負債をフランスは抱え、民にも重い負担がかかり困窮する中…………マリーアントワネット様は贅沢、浪費を繰り返し、国民の憎悪を買いやがて革命が起こるきっかけとなります。そして囚われた姫様はその罪を問われ…………ギロチンの刑に処される。これが私の知る歴史です」


 「な、な、な ん で す っ て え〜?!」


 テレジアを上回る大声でマリーが叫んだ。

 一瞬で顔面蒼白になってしまった。

 ヒバリコが慌てて言葉を続ける。


 「落ち着いて下さい! だから私がそんな未来を変える為、姫様を民を愛し、民の為に生きる王女に育てたのです! もう未来は既に変わってます!!」


 マリーの手が押さえていたテレジアからふらりと離れた。

 自由になったテレジアが怪訝そうに娘を見た。

 ヒバリコが瞬足で駆け寄りふらつき出したマリーを支えた。


 「姫様!」


 国王も狼狽えつつマリーを覗き込む。


 「マリー?!」


 マリーがヒバリコに抱き抱えられながら呻くように呟き出した。


 「もし……ヒバリコ先生に出会わなければ、私は…………私は民の事も考えもせず……ただ贅沢三昧で無駄に金を使い……民に憎まれていた?」


 「姫様!!」


 マリーの脳裏には未だかつて想像した事も無い、もう一人の自分の姿が浮かんでいた。

 民を歯牙にもかけずひたすら自己の快楽を求め遊び回る…………そんな王妃……マリーアントワネット!


 「一つ間違えば、私は、私は…………私の最もなりたくない私に?!」


 国王は今まで聞いた事もない妻の声を聞く事になった。


 「い や あ あ あ あ あ〜!!」


 「マリー!?」


 「姫様!!」


 悲鳴の後にはめまいがした。


 「うう〜ん……」


 ヒバリコの腕の中でマリーは意識を失った…………


 「姫様あぁ〜〜!?」






 「おい、医者を呼べ!!」


 外にいる護衛達は突如ドアを押し開いて怒鳴る国王に驚かされた。

 

 「早くしろ!! 妻が気を失ったのだ!!」


 「ええっ!?」


 全員びっくり仰天。

 およそ気絶と縁遠いキャラの人だけに。

 慌てて国王直属の護衛二人が駆け出して行った。

 

 「姫様〜!!」


 三人の少年少女らがドアの隙間に滑り込むように中に入っていった。


 「あ、待て!」


 カークとビスケが、ついでにバジーまで追いかけていく。


 命令を終えた国王がドアノブを離し、ドアは勝手に閉まってしまった。


 残された護衛とメルシー伯が顔を見合わす。


 「……ええ〜?!」


 「この際我らも入ろう!」


 ビロンの声に残る全員室内に入るのだった。







 やっぱりマリーアントワネット処刑回避のためでした。

 よくあるパターンですが。

 しかしこういうのって第三者にバラしたりしないもんじゃないの?

 ストーリー展開破綻してないか?

 こりゃもう続けられないか、と思ったけど逆に転生ものと違う個性と思い込む事でもう少し続けようかと考え直しました。

 とはいえ落とし所は必要だし色々悩むな〜w

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